【YBCルヴァンカップ 1回戦 高知ユナイテッドvsガンバ大阪】さすが強敵・高知、簡単には勝たせてくれない

我々はチャレンジャー
開幕から苦しい戦いが続いていた2023年シーズンのガンバは、
新潟クリニック受診により復活を遂げ、続く福岡戦にも勝利して、
良い流れでホームで行われる天皇杯2回戦、高知ユナイテッド戦に臨んでいた。
誰もが3回戦進出を信じて疑わなかった試合は、
前半で2点ビハインドを許す苦しい展開を強いられると、
後半も三浦のゴールで1点を返すにとどまり、
12月の国立どころか梅雨も明けないうちに大会を去ることになってしまった。
あれから2年の月日が流れる中、高知ユナイテッドがJFLからJ3に戦いの舞台を変えたことで、
ルヴァンカップでガンバと再戦する機会が訪れた。
これまでガンバが一度も勝ったことがない強敵・高知ユナイテッド相手に土をつけ、
ルヴァンカップ2回戦行きの切符を掴み取って欲しいところだ。
同じ過ちは繰り返さない
ここは本当に高知の山奥なのか?と疑うほどの数の青黒のユニフォームで溢れた
春野運動公園のピッチに送り出されたガンバ大阪のスタメンは以下の11人。

イスラエル代表に招集されたネタ・ラヴィの代わりに美藤がIN。
また、ジェバリの代わりにヒュメットが、
1トップのポジションでガンバ移籍後初スタメンを飾ったね。
試合は序盤からガンバのペース・・・とはいかず、
いきなりCKから東口の正面を突くヘディングシュートを放たれるなど、
高いインテンシティでこの試合に臨んできた高知の圧力に、やや押される展開。
「これは早い段階で失点したら一昨年の天皇杯の二の舞になりかねんな・・・」
という、良くないことを考えてしまいそうな流れを断ち切ったのは、青黒の至宝・宇佐美貴史。
山下が高知のアンカーの岡澤からボールを奪うと、
山下のパスを受けた宇佐美が中央をドリブルで駆け上がり、
マッチアップした今井のマークをシザースフェイントで無力化し、
これぞ宇佐美という右足でゴール右隅へ正確なフィニッシュ。
コンディションが上がらず、今季ここまで低調なパフォーマンスが続いていた宇佐美だけど、
やはりこれだけスペースと時間を与えられたら、何でも出来ることを証明したね。
ただ、このゴールの直前のボールを奪ったプレーで山下が脚を痛めてしまい、
前半16分という早い時間に唐山との交代でピッチを退いてしまった。
(いつものイタイイタイだと思ってしまってスマン・・・)
先制点を奪ったガンバだけど、中野がマッチアップした杉山のスピードに手を焼き、
イエローカードを貰ってしまうなど、その後も波に乗り切れずにいたけど、
ここで山下との交代でピッチに入った唐山が一仕事。
佐々木から前線に送られたロングボールに競り勝った唐山がヒュメットに落とすと、
ヒュメットのシュートのこぼれ球を再び唐山がプッシュし、前半40分にガンバに追加点。
ヒュメットと唐山の役割逆じゃね?と思わなくもないけど、
結果的に唐山が嗅覚を見せて得点に繋げたし、まあ良しとしよう。

星を戻すのも楽ではない
2点リードで迎えた後半。
前半終了時と同じ11人をピッチに送り出したポヤトスに対し、
高知の秋田監督はハーフタイムで3選手を入れ替えてきた。
昨季、社長を務めていた岩手をJ3からJFLに降格させたことで、
手腕に疑問符がついている感のある秋田だけど、
その岩手をJ3からJ2へ昇格させたのもまた秋田が監督時代の話なので、
なかなか評価が難しい人ではある。
ただ、この日の秋田は後者の敏腕監督としての秋田だったようで、
この3枚替え以降、ガンバは前半ほど高知のゴールに迫れなくなってしまう。
さらに追い討ちをかけるかのように、自陣の守備での混戦の際に佐々木が脚を痛め、
福岡と交代になってしまうアクシデント発生。
中谷が戦線復帰してスタメンを外れるようになった福岡だけど、
佐々木のケガの程度ではまたスタメンに返り咲きそうなあたり、
藤ヶ谷や中澤聡太、丹羽といった謎のスタメン力を持つ選手の系譜に名を連ねそうやね。
そんなくだらないことを考えていたら、
前半から再三チャンスを作られていた高知の右サイドから低いクロスが上がると、
後半から入っていた小林心に見事なトラップからゴールネットを揺らされ、
1点差に詰め寄られてしまう。
これで小林心は一昨年のあの天皇杯の試合に続き、ガンバ戦で2戦2発。
もうこの選手にゴールを決められなくてもいいように、
夏の移籍市場で獲得してもいいんじゃないだろうか。
アシストした杉山も、スピードに乗ったドリブルで倉田にイエローカードを誘発するなど、
なぜ昨季末でいわきと契約満了になったのか?と思うようなプレーをしていたし、
少なくとも2人ともJ3でプレーするような選手ではないと思ったね。
1点ビハインドになったガンバに3点目を奪う余力は残されておらず、防戦一方になったけど、
なりふり構わずコーナーキープで試合をクロージング。
一昨年、ホームで味わった屈辱を晴らし、
高知との対戦成績を1勝1敗の五分に戻すことが出来たね。

新潟クリニックのお返しは不要
ガンバがルヴァンカップの2回戦で対戦するのは、
来週の26日に行われる水戸vs熊本の勝者ということだけど、
2回戦は4月16日とまだ先の話なので、
一旦ルヴァンカップは横に置いておいてリーグ戦の新潟戦に集中。
新潟は今季まだリーグ戦で未勝利な上、
ガンバより1時間早くキックオフの笛が吹かれたルヴァンカップの八戸戦でも、
延長・PKまで持ち込まれるなど大苦戦を強いられているので、
まだ調子が上がっていないように思われる。
ただ、ガンバはこの手のチームに気前良く初勝利をプレゼントしてしまう悪癖があるので、
相手のペースおよびビッグスワンの雰囲気に飲み込まれないように、
愚直に勝ち点3を目指して欲しいと思う。
この日故障した山下と佐々木のケガの程度が心配ではあるけど、
代わりに出場した選手の奮起に期待したいところやね。
高知ユナイテッド1ー2ガンバ大阪
’13 宇佐美貴史
’41 唐山翔自
’77 小林心