【明治安田生命J1リーグ32節 横浜F・マリノスvsガンバ大阪】GAMBA’s home,GAMBA’s Field,Yokohama

もう少し遊んで行こうよ、マリノスさん

前節、東口の鬼神の如き働きで柏から勝ち点1をもぎ取った我らがガンバ大阪。

依然として自動降格圏の17位に沈む苦しい状況で迎えるのは、
目下リーグテーブルの一番上にいる横浜F・マリノスとのアウェイゲーム。

今節の結果次第で2019年シーズン以来のリーグ優勝が決まるマリノスとしては、
ホームの日産スタジアムでシャーレを掲げたいだろうけど、
そんなに急いで優勝を決めなくても、まだシーズンは1ヶ月も残っているんだし、
もう少し今シーズンを楽しんでいってもいいのではないでしょうか。

と、言うわけで、本日は悩める青黒への勝ち点の寄付をよろしくお願いします。

先制に成功するも相変わらず機能しない左サイド

何気に2年連続勝利中のマリノスとのアウェイゲームに臨む、
ガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。

累積警告で出場停止の齊藤の代役はダワン。

また、対戦相手がマリノスということでチームのウェイトを守備に置いたのか、
前節の柏戦からレアンドロ・ペレイラと食野が外れ、パトリックと小野瀬を起用してきた。

戦前の予想通り、試合は序盤から、
攻めるマリノスと守るガンバという対比がはっきりとした試合展開に。

しかしながら、ガンバの試合の入り方は、
慎重に戦っているというよりどことなく浮き足立っている印象が否めず、
セカンドボールへの寄せの甘さに、「おいおい、こんなんで大丈夫か?」と、
思ってしまうような出来だった。

ただ、徐々に集中力を取り戻し序盤のマリノスの猛攻を凌いだガンバは、
前半7分にこの日最初のCKのチャンスを獲得。

宇佐美のキックをファーサイドでダワンが折り返すと、
その先にいたファン・アラーノが合わせて、なんとガンバが先制!

パトリックや三浦といったヘディングが強い選手をニアに走り込ませ、
マークが薄くなった大外のダワンで勝負するという今まであまり見ない形だったけど、
ベンチの喜びようを見ると、この試合のために準備してきたセットプレーだったみたいだね。

かくして先制に成功したガンバだけど、その後は防戦一方。

松田監督就任以降の課題である左サイドが機能しない問題への対応からか、
この日は食野がスタメンから外れ、右サイドに小野瀬、
左サイドにファン・アラーノという組み合わせだったけど、
ファン・アラーノと黒川のコンビネーションの悪さは食野と黒川のそれ以上だった。

時間帯によっては小野瀬とファン・アラーノのサイドを入れ替えるということもやっていたけど、
結局最適解は見つからず、マリノスの水沼と小池のコンビを相手に炎上。

しかしながら柏戦に続きこの日の東口も大当たりで、
それに加え守備陣だけでなくチーム全体で体を張って粘り強く守っていたので、
なんとか無失点で前半を凌ぐことが出来たけど、
このままだと失点するのは時間の問題だろうなという感じは否めなかったね。

信じて耐えていれば救われる

1点リードで迎えた後半。

前半の左サイドの機能不全を受けた松田監督は、
守備時はファン・アラーノをDFラインに落として5バックを形成するような守り方にシフト。

後半になっても相変わらず守勢を強いられる時間は長かったけど、
上述の守り方に変えたことで、前半に比べて左サイドから攻められることが少なくなったね。

その後、1点を追いかけるマリノスのマスカット監督は、
エウベル、喜田、マルコス・ジュニオールに代えて仲川、藤田、西村を投入するなど、
積極的な選手交代を行なってきたのに対し、カードを切らずにじっと戦況を見つめる松田監督。

まあ、下手に動くことでチームのバランスを崩すこともあり得るので、
選手交代には慎重になっていたんだろうけど、
そんな時にダワンが脚を痛めて山本理仁と交代になってしまう。
(それにしても、ダワン、毎試合足攣ってないか?)

ボランチが司令塔タイプのダブル山本になったことで守備の強度が心配だったけど、
その不安を払拭したのは、パトリック。

後半34分に獲得した宇佐美の右CKは中の選手に合わずに逆サイドに流れてしまうも、
このボールを拾った選手(直前に小野瀬との交代でピッチに入っていた食野かな?)が、
右足のアウトサイドでクロスを上げると、
このクロスを中央で受けたパトリックがゴールネットを揺らし、ガンバに待望の追加点。

前半からセットプレーの守備で何度も体を張っていたパトリックだけど、
攻撃面ではマリノスの選手たちの寄せの速さにボールを失う場面も目立ち、
「もうちょっと前線で時間を作ってくれ」なんて思っていたけど、
チームが苦しい時に仕事をしてくれたね。

その後もマリノスの猛攻に晒されたガンバだけど、
コーナーキープや選手交代で時間を使いながら試合をクロージング。

ボール保持率はマリノスの69%に対しガンバは31%、
シュート数はマリノスの24本に対しガンバは8本。

スタッツだけ見ればマリノスが圧勝したように見えるけど、
この試合で勝利を収め、マリノスに今シーズンのホームゲーム初黒星をつけたのは、
紛れもなくガンバ大阪だった。

絶対に勝たないといけない試合に今度こそ勝つ

この勝利でガンバは一つ順位を上げて16位に浮上。

ガンバと代わって17位に沈んだ清水は、ガンバよりも1試合少ないし、
その1試合が最下位の磐田との静岡ダービーだということを考えると、
危ない状況であることに変わりはないね。

そんな危険な状況を脱するには、ホーム最終戦で磐田に勝利することは絶対条件。

なんだかどことなくみんな「ジュビロには勝てるだろう」と思っているような節があるけど、
松田監督になってからホームゲームは1回も勝っていないし、何なら1点も取れていないので、
甘く見ていると返り討ちに遭う可能性は十分にある。

ただ、この試合で首位・マリノス相手に見せたハードワークと、
少ないチャンスを確実に仕留める集中力があれば、
ホーム最終戦で勝利を収めることは可能なはず。

天皇杯の決勝とルヴァンカップの決勝を挟むため、
次節まで試合間隔が3週間空くのがどう出るかという不安はあるけど、
今季ことごとく勝てていない絶対に負けられない一戦に今度こそ勝利するため、
この時間でしっかりとした準備をして欲しいね。

横浜F・マリノス02ガンバ大阪
’8 ファン・アラーノ
’79 パトリック