【明治安田J1リーグ16節 ガンバ大阪vsサンフレッチェ広島】数的不利で広島を倒すというミッションは難易度が高すぎる
本調子になる前に紫熊を叩く
宿敵・浦和レッズを埼玉スタジアムで降し、3連勝を飾ったガンバ大阪は、
ホームに戻り、中4日でサンフレッチェ広島との一戦に臨んだ。
現時点でガンバと広島は同じ勝ち点23で並んでいるけど、
広島の方が消化試合が1試合少ないことを考えると、
ガンバの方がディスアドバンテージが大きいので、ここで直接叩いて前に出たいところだ。
そんな広島は、選手登録のミスによる没収試合が響いてのACL2敗退や、
アルスランや中島の故障も重なり、先月から調子を落としているけど、
直近の2試合は勝利を飾っているので、復調傾向にはあるように見える。
それに、昨季ガンバ相手に1勝も出来なかったことを踏まえ、
智将・スキッべがやられっぱなしのまま黙っているとは思えないので、
ホームで迎え撃つガンバとしては、一層気を引き締めて4連勝を狙いにいきたいところだ。
まさかの形でピッチを去った頼れる男
2週間以上続いた連戦の最後を飾る一戦に臨む、青黒のスタメン11人は以下の通り。

食野に変わってファン・アラーノが入っただけで、残りの10人は前節の浦和と同じ顔ぶれ。
ボランチでスタメン出場を飾った満田は、古巣相手に恩返し弾を決めて、
因縁のスキッべに自身の価値を証明出来るか。
試合の入りは一進一退。
ジャーメインに訪れた決定機は、半田の見事な対応でシュートミスを誘えば、
明らかにプレーに気合いが漲っている満田が大迫を強襲するロングシュートで応戦。
その後、右サイドをえぐった山下のクロスからヒュメットが立て続けにシュートを放ち、
この勢いでガンバに流れを持ってこれるかと思っていたら、まさかのアクシデント発生。
自陣でのビルドアップの場面で、一森が鈴木徳真にパスをしようとしたところ、
少しずれて隣にいたジャーメインに渡ってしまい、
一森と1対1になったジャーメインを倒した鈴木徳真が退場になってしまう。
(火を見るよりも明らかなDOGSOだったのに福島主審はVARが無いとわからないのだろうか)
一森のプレースタイル的に起こり得るミスとは言え、
自身のミスの尻拭いを鈴木にさせてしまった格好になったので、
一森は明日あたり鈴木の大好物のラーメンでも奢ってあげなさい。
前半22分で数的不利になってしまったガンバとしては、
なんとか0-0の時間を長くして後半勝負に出たいところだったけど、
中野のクロスをファーでジャーメインが折り返したところを、
中央で塩谷に押し込まれ、前半33分に先制を許してしまう。
反撃に出たいガンバだけど、前線にスペースがある状況で遅攻を選択する場面が多く、
数的優位の広島の守備陣を前に全くと言って良いほど良い形を作れなくなってしまった。
結果論だけど、倉田を投入する時にベンチに下げるべきだったのは、
カウンターで単騎突撃出来るヒュメットではなく、
鈴木退場後もなぜか数的同数であるかのようにプレーしていた宇佐美だったように思うね。
とは言え、ガンバとしては良い状況では無いのは確かだけど、最少失点で前半を折り返し、
後半に望みを繋げられたのは最低限の仕事として評価しても良いと思う。
数的不利を感じさせない後半の戦いに光明
1点ビハインドで後半を迎えたガンバは、宇佐美に代えて岸本を投入し、
5バックの前にアラーノ、倉田、満田が並び、最前線には山下という5-3-1のような布陣に変更。
初めて見る布陣だったので、果たして機能するのか?と半信半疑だったけど、
CBが3枚になったことにより、中谷、福岡、半田が流動的に攻撃参加することで、
広島の守備陣を撹乱できていたように思う。
劣勢の状況のポヤトスの采配って当たらないことが多いけど、
このような戦いが出来るのであれば、
ウイング不在時に3バック(5バック)の布陣もアリなんじゃないかと思えたね。
後半になって攻勢に出たガンバだけど、
大迫の裏をかいて真ん中の上のコースを狙った満田のFKも、
セットプレーからの半田のシュートもわずかに枠をとらえられず、
スコアを振り出しに戻すまでには至らない。
守っては、前半にミスを犯した一森が、
荒木のヘディングシュートを驚異的な反応でセーブするなど、
メンタル面でダメージがある素振りは一切見せず、最少得失点差で試合は進んでいく。
この膠着状況を打破すべく、山下に代えてジェバリ、アラーノに代えて南野を投入したポヤトス。
アラーノを下げることについては異論は無いけど、
山下の裏抜けを警戒してDFラインを上げられなくなっていた広島の守備陣が、
山下がベンチに下がった途端、ラインを上げてコンパクトな陣形を敷けるようになったので、
山下は交代させずにピッチに残しておくべきだったんじゃないだろうか。
その後、福岡に代えて唐山なんていう交代カードも切ったけど、
大型スクリーンのメンバー表が書き変わった以上の効果は無く、
そのまま試合終了のホイッスルを聞くことに。
連勝は3で止まってしまったけど、数的不利を感じさせない後半の戦いぶりは、
ガンバが好調を維持していることに変わりはないと思えたので、
気を取り直して次節以降の戦いに向かって欲しいと思うね。
ボランチ不在の窮地を乗り切れるか?
連敗は避けたいガンバの次節の対戦相手はヴィッセル神戸。
ACLE早期敗退により連戦から解放されたことが功を奏したのか、
4連勝を飾るなど俄かに順位を上げてきていた神戸だけど、
セレッソとFC東京に連敗を喫するなど、ここに来て足踏みをしている。
ガンバとしては次節までの中5日でしっかりとリカバリして、
昨季の天皇杯決勝のリベンジといきたいところだけど、
鈴木が退場になったことでついにボランチがいなくなってしまったことが気がかり。
ただ、広島戦前日のポヤトスの話では、
ウェルトンとネタ・ラヴィの戦線復帰は最終段階まで来ているとのことなので、
来週のノエビアスタジアムのピッチには背番号6が立っていると信じようと思います。
ガンバ大阪0ー1サンフレッチェ広島
’33 塩谷司