【AFCチャンピオンズリーグ2 グループステージ3節 ガンバ大阪vsナムディン】締まりは悪かったけど望んでいた結果は手にした

元に戻すか3バック継続か

何度目かのポヤトスの戦術実験が大失敗に終わり、
柏相手に歴史的大敗を喫した土曜日から中3日、
ガンバ大阪はホームにナムディンを迎え、ACL2のグループステージの試合に臨んだ。

ガンバが所属するグループFにおいて、現在ガンバと同じ勝ち点6で並ぶナムディンは、
グループ首位通過を目指す上での最大のライバルなので、
ここを直接叩ければ決勝トーナメント行きがグッと近づく。

なのでポヤトスにお願いすることは、
「変な気を起こさずにこれまで積み重ねてきたやり方でこの試合に臨み、
勝ち点3を獲得してください」、ただそれだけです。

ベトナム王者恐るるに足らず

急激な冷え込みに冬の訪れを感じさせる市立吹田サッカースタジアムのピッチに、
ポヤトスが送り出した青黒のスタメン11人は以下の通り。

柏戦の大敗を受けて3バックに見切りをつけ、4バックに戻してきた。

柏戦で宇佐美とヒュメットを早めにベンチに下げたので、
この試合で先発させるのかと思っていたのだけど、
蓋を開けてみたらジェバリと山下をスタートから起用してきたね。

ナムディンはベトナムリーグ2連覇中という話なので、
どれぐらい骨のある相手なんだろう、と思っていたのだけど、
怖いのはせいぜい右サイドのタウのドリブルぐらいで、
半田とジェバリにいきなり決定機が訪れたあたり、思っていたほど大した相手じゃなさそう。

ただ、その決定機を決められずにいると、
ナムディンのGKカイケが倒れて時間稼ぎをしている間に修正されてしまい、
ガンバはなかなかボールを奪えなくなってしまう。

決められる場面で決めておかないとこうなるよなー、と思っていたら、
安部のパスに抜け出した山下の折り返しを、
持ち前のボックストゥボックスでゴール前に走り込んでいた美藤が決め、
前半16分にガンバが先制に成功。

美藤は、その後も精力的に中盤を駆け回りながら縦パスをズバズバ通していて、
ガンバ加入後一番パフォーマンスが良かったんじゃないだろうか。

ただ、悪い意味でその美藤より目立っていたのが、決定機でシュートを外しまくって、
試合の難易度を上げてしまうジェバリ。

前半終了間際にナムディンに決定機が訪れたことや、
この試合を裁いたモハメド・カリル主審の、これぞACL!という判定基準だと、
1点差では何が起こってもおかしくないので、
前半のうちにジェバリがハットトリックを達成して試合を決めておきたかったね。

最後の失点だけが余計だったけど

お互いに選手交代無く迎えた後半も引き続きガンバが主導権を握ると、
後半7分に満田のスルーパスに抜け出した山下がGKと1対1の局面を迎える。

いつもの山下だと思い切りシュートを打ってGKにぶつけてしまう場面だけど、
外でフリーになっていたジェバリに冷静にパスを出すと、
さすがにジェバリもこのお膳立てをフイにするわけもなく、ようやくガンバに追加点。

その後も食野、宇佐美、ヒュメットを投入しつつ、
引き続き主導権を握って試合を進めたガンバだけど、中2日で名古屋戦を控えているからなのか、
速攻に出られる場面でもスピードを落としてポゼッションし、
体力を温存しながら試合を進めていたね。

ただ、体力の温存を考えるのであれば、最後の交代が山下に代えて岸本の1枚だけで、
交代枠を1枚余らせたのが理解に苦しむんだけども・・・。

あえてペースを上げずに試合を進めていく中で、
このまま試合が終わることを良しとしなかったのが食野。

ペナルティエリアの左からカットインして右足を振り抜くと、
シュートは枠を外れたように見えたけど、
ナムディンの選手に当たってゴール方向に飛んだボールがそのままゴールマウスに吸い込まれ、
後半終了間際に追加点。

グループFで同じ勝ち点6で並ぶナムディン相手に、
3点差で勝利出来るのは大きいなと思っていたのに、
後半アディショナルタイムに失点してしまうのがガンバクオリティ。

身長2m6cmのハドリンが三浦を背負ってポストプレーすると、
あろうことか三浦はハドリンを離してしまい、反転シュートを決められてしまった。

ハドリンはデカくて凄そうな雰囲気はあるけど、足下の技術は無いし、
ガンバの選手たちが近くでボールを持っていても奪いに行かずに歩いてるしで、
後半16分に投入されて以降、全然怖さを感じられなかっただけに、
最後の最後で仕事をされてしまったのはもったいなかったね。

ただ、このレベルの相手ならアウェイで勝利することは十分に可能だと思うので、
11月5日のベトナムでの試合でも勝ち点3を積み上げて、
早々にグループF首位通過を決めてしまいましょう。

ダブルの応酬の日々にさよならを

柏戦での大敗で負けなしが8試合で潰えたガンバだけど、
直後の試合で勝利することが出来たので、切り替えてまたここから勝利を積み上げていきたい。

次の試合は中2日でアウェイの名古屋戦。

近年はダブルの応酬になっていた名古屋との対戦だけど、
ここに来て3連勝中なので、ここで2年連続のダブルを達成して勝敗の傾向を変えたところ。

ただ、名古屋はガンバが苦手とする3バックのチームなので、
またポヤトスが相手を意識しすぎて変な気を起こさないといいんだけど・・・。

ガンバ大阪31ナムディン
’16 美藤倫
’52 イッサム・ジェバリ
’89 オウンゴール
’90+4 カイル・ハドリン