【YBCルヴァンカップ プレーオフステージ1st leg Vファーレン長崎vsガンバ大阪】長崎でドバドバ出たケチャップ

2020年11月1日

環境が人を育てる

一緒に仕事をしていた時は、要領が悪くて、
お世辞にも仕事が出来るタイプとは言えなかったのに、
転職した先でバリバリと活躍している知人がいる。

僕の前職の職場の人たちは、飲み会のたびに、
「ダメなやつほど環境のせいにする」ってよく愚痴を言い合っていて、
それ自体は必ずしも誤った考えだとは言い切れないのだけど、
然るべき環境に身を置かないと能力を発揮できない人間もいるというのもまた真理だろう。

サッカーに話を移すと、鳴り物入りでガンバに入団したものの目立った結果は残せず、
昨季のレンタル先の徳島でも同様で、
厄介払いのような形で長崎に新天地を求めた呉屋にも、
上記と同じことが言えるんじゃないだろうか。

ガンバにいた時はあれほどまでに決定機でシュートを外していたのに、
長崎にレンタル移籍した途端、13試合の出場で10ゴールと大爆発。

ガンバに在籍していた時にリーグ杯のグループステージに出場していることに加え、
ガンバからのレンタルという契約なので、
この日のリーグ杯のプレーオフステージ1st legに呉屋は出場できなかったのだけど、
もし、呉屋が出場していたらこの試合の行方はどうなっていたかわからなかった。

結果的に大差がつく試合になったけど、決定機の数自体はさほど変わらず、
倉田が2点目のゴールを挙げるまでは、
どっちに転んでもおかしくない試合展開だったからね。

明暗が分かれた両サイド

スタメンの顔ぶれを見た時は、4-4-2なのかと思ったけど、
試合が始まってみれば、ここ最近のリーグ戦で採用している3-5-2を、
リーグ杯でも引き続き採用してきた。

先日のリーグ戦の磐田戦から引き続きスタメンなのは倉田だけなので、
選手がガラッと入れ替わった中でどれだけ機能するか未知数なところはあったけど、
前半こそ連携がかみ合わないところはあったものの、
時間が経つにつれて機能するようになっていったと思う。

特に、左WBで先発出場した田中達也はキレキレで、貴重な先制ゴールを挙げるなど、
左サイドを精力的にアップダウンしながらも攻撃の局面で迫力を失うことも無く、
常に長崎の守備陣の脅威であり続けたね。

先日の磐田戦では小野瀬の代役としてFWの中村敬斗をWBで起用したけど、
週末の湘南戦では、小野瀬と同じポジションを本職とする田中達也を、
スタメンで見たいと思ったね。

その反面、イケイケな左サイドに比べて、右サイドは大人しかった。

リーグ戦ではビルドアップ力に長けた高尾を右CBで起用しているけど、
この試合で右CBに入ったオ・ジェソクはパスセンスに秀でたタイプとは言い難く、
右サイドで攻撃がノッキングを起こす場面が多々見られたね。

それだけでなく、得意であるはずの守備でも、何でもないクリアをミスしたり、
簡単にドリブル突破を許してシュートを打たれたりと、
全体的に個々のパフォーマンスが良かったこの試合で1人だけ蚊帳の外だった。

かと言って、米倉の位置で起用するには個での打開力も無く、クロスの精度も乏しいので、
今の3-5-2の布陣ではオ・ジェソクの居場所は無いんじゃないだろうか。

あくまでも注力すべきはリーグ戦

最後の失点は余計だったけど、3点差をつけた上に、
アウェイゴールも4点を奪っているので、
ホームでよっぽど下手をこかない限りはプライムステージへの進出は固いだろう。

それに、現在、リーグ戦で17位と自動降格圏に瀕している状況なので、
リーグ杯のことは一旦横に置いておいて、すぐに今週末の湘南戦に向けて集中して欲しい。

倉田が累積警告で出場停止というところが懸念事項だけど、
この試合で今野が早い時間帯に交代になったということは、
倉田の代役は今野になるのだろうか。

それとも、先日のトゥーロン国際で日本の準優勝に貢献した高にチャンスを与えるのか。

いずれにせよ、得点力不足に悩まされていたここ数試合とは打って変わって、
久しぶりに攻撃陣が爆発したので、この試合の良いイメージをもって、
ホームで湘南を迎え撃ってほしいね。

Vファーレン長崎14ガンバ大阪
’31 田中達也
’54 倉田秋
’58 アデミウソン
’82 中村敬斗
‘90+1 大本祐槻