【J1参入プレーオフ ジュビロ磐田 vs 東京ヴェルディ】勢いだけで越えられる壁なんて無い

2020年11月1日

黄金時代を知る両雄

数々のスター選手を擁してタイトルを獲得し、
Jリーグの創成期を華やかに彩った東京ヴェルディと、
90年代後半から2000年代前半にかけて見る者を魅了する華麗なパスサッカーで、
一時代を築いたジュビロ磐田。

ともに黄金時代を知る両雄が来季のJ1で戦う権利をかけて、
J1参入プレーオフという舞台で相まみえるのは隔世の感を感じる。

盛者必衰と言う言葉はあるけど、Jリーグ創成期からその強さを維持している鹿島を除けば、
この25年で強いチームがその時々で変わっているあたり、
Jリーグにはまだ欧州や南米のリーグのように
チーム間に明確なヒエラルキーが存在していないように思える。

これは群雄割拠のJリーグの面白さでもあり、
また世界と戦えるチームを作るという意味では弱みでもあるけど、
この試合を戦った両チームにもまた黄金時代が訪れる可能性はあると考えれば、
その弱みは大いなるチャンスじゃないだろうか。

想像以上に大きかったカテゴリーの差

野次馬の心理として、弱いチームに肩入れをしたくなるもの。

正直なところ僕もヴェルディを応援していた部分はあるのだけど、
やはりJ1とJ2の差は思っていた以上に大きかった。

パスの質、トラップの質、コンビネーションや球際の攻防も含め、
どれをとっても磐田の方が1枚も2枚も上手だった。

ヴェルディとしては、横浜FC戦のように0-0の時間帯が長く続けば、
終盤にセットプレーでワンチャンスあったかもしれないけど、
前半にPKで失点したことで、ロティーナが描いていたプランが崩れた感があったね。

個人的にはヴェルディが11年ぶりにJ1で戦う姿を見てみたかったけど、
この試合の戦いぶりを見る限りだとJ1に昇格したところで、
惨憺たる結果でJ2に降格するのが関の山だと思う。

来季のJ2も魔境であることに変わりは無いけど、
ヴェルディにはこの試合で味わった悔しさを糧にして、
自動昇格を目指して頑張って欲しい。

J1で16位の実力ではなくJ1で勝ち点41の実力

今季の磐田は最終的に16位でシーズンを終えて、
J1参入プレーオフに回ることになったけど、
勝ち点41という数字は弱いチームのそれではない。

今季に限って言えば、昨季の躍進を支えたアダイウトンやムサエフの長期離脱、
ギレルメの暴力スキャンダルによる退団が重なり、
名波監督が思い描いていた布陣で臨める試合が少なかったのが、
今季の苦戦の大きなウエイトを占めるのかなと思う。

普通に考えればJ2の6位に負けるような戦力では無いとは言え、
J1最終節の川崎戦で、後半アディショナルタイムにオウンゴールを献上し、
ショッキングな敗北を喫してからのこの1週間、
メンタルをコントロールするのが非常に難しかったと推察する。

普段は公開している練習も非公開にして入念に準備していただけに、
磐田にとってこの試合の勝利は喜びと言うよりも安堵の気持ちの方が強いだろう。

2018年シーズンの千秋楽は天皇杯決勝

2018年シーズンも明日の天皇杯決勝でラスト。

浦和レッズが”ホーム”埼玉スタジアムにベガルタ仙台を迎えるとあって、
下馬評では浦和有利という見方が強いけど、
先述の通り、野次馬は弱いチームに肩入れをしたくなるもの。

2016年のルヴァンカップの決勝で、中立地での一発勝負のカップ戦の決勝にも関わらず、
完全アウェイの雰囲気の中で試合をして、浦和に敗北を喫した苦い経験があるので、
個人的には仙台を応援したい気持ちは強かったりする。

まあでも、どちらが勝つにしてもシーズンの最後をきれいに締めくくれるように、
クリーンで白熱した試合を期待したいものだけども。

ジュビロ磐田20東京ヴェルディ
‘41 小川航基
‘80 田口泰士