【明治安田生命J1リーグ22節 ガンバ大阪vs横浜Fマリノス】いくら内容が良くても勝てるとは限らない
今のガンバに対マリノス用の戦術はいらない
新型コロナウイルス感染拡大に伴うリーグ中断期間があったせいで、
なんだかもう随分遠い過去のように感じるけど、
鬼門の日産スタジアムでマリノスを破ったのは今年の2月の話。
9年ぶりの開幕戦勝利に、
2020年シーズンのガンバ大阪の前途に胸を躍らせたものだった。
ここ数シーズンのガンバとマリノスとの試合は、
ポゼッション率で完敗し、雨のようにシュートを浴びる展開が多く、
特に、昨季の三ッ沢での試合ではまざまざと力の差を見せつけられてしまった。
そんな力の差を埋めるべく採用した対マリノス用の戦術が機能したことが、
開幕戦の勝利に繋がったわけだけど、言い方を変えれば、
普段やらないような戦い方をしないと、
ガンバはマリノスに勝てないということでもあった。
ホームで行われた今節の試合で、
2月の試合で採用した対マリノス用の戦術を採用してくることも考えられたけど、
宮本監督がこの試合でピッチに送り出したのは、
現在のベストメンバーと言ってもいい11人。
「6連勝中の今のガンバであれば正攻法でマリノスと勝負できる。」という声が、
メンバー表から聞こえてくるかのようだったね。
主導権は行ったり来たり
6連勝中とは言え、その内訳の多くは薄氷を踏むような勝利で、
守勢を強いられる時間が長い試合も多かったけど、そんな前例に倣わず、
この試合のガンバは試合開始直後から試合の主導権を握った。
「ガンバがマリノス相手にポゼッション率とシュート数で上回るなんて!」と、
軽い感動を覚えていたのだけど、そこは前年度のJ1王者、
時間が経つにつれて徐々にガンバを押し返し始める。
マリノスにチャンスが増え始めた時間帯に宇佐美が梶川との1対1を迎え、
「これを決めれば先制点を奪うと同時に相手の勢いを削ぐこともできる」
と思ったのだけど、冷静に脇の下を狙ったシュートは防がれてしまい決め切れず。
こういう場面で決めておかないと逆にやられるんだよなと思っていたら、
嫌な予感ほどよく当たるもので、山本が自陣の低い位置でボールを失うと、
マルコスジュニオールにボールが渡り先制点を献上してしまった。
マルコスジュニオールのシュートは東口が左足でセーブしたのだけど、
跳ね返りがシュートを打ったマルコスジュニオールの尻に当たり、
さらにキムヨングォンの顔面に当たってゴールマウスに吸い込まれた。
まるでピンボールのようなオウンゴールはアンラッキーだったと言わざるを得ない。
熱戦の末のゼロゲーム
ただ、先制を許した後も気落ちすることなく、
失点するまでやってきたサッカーを継続出来たことは良かった。
それが前半終了間際の宇佐美のPK獲得に繋がったわけだしね。
前節のFC東京戦でのPK獲得はこちらに運が味方した部分もあったけど、
今回のPKはマリノスのハイラインを見事に破り、
GKのファウルを誘ったものだったので、文句ないものだったと思う。
宇佐美のPKが決まり、前半のうちに試合を振り出しに戻すことに成功したガンバは、
逆転を期して後半の戦いへ。
前半と同様に後半も主導権を握って試合を進めることが出来ていたけど、
パトリック、井手口、山本にチャンスが訪れるも、
ゴールネットを揺らすまでは至らず。
後半32分に渡邉千真、後半40分にアデミウソンと矢島を投入するも、
勝ち越しゴールを奪うことが出来ず、ドロー決着で連勝は6でストップしてしまった。
相手より多くゴールを決めるだけ
渡邉千真とアデミウソンの投入はもっと早くても良かったんじゃないかと思ったけど、
この日の試合に関しては宮本監督の采配に注文を付けるよりも、
これだけ多くのシュートチャンスを迎えながら得点に繋げられなかった
オフェンス陣に奮起を促したい。
今節だけでなく前節のFC東京戦の得点もPKの1点だけだったし、流れの中のゴールは、
先週の水曜日の鳥栖戦で渡邉千真が決めた2点目のゴールまで遡らないといけないからね。
久しぶりに内容の良い試合を見ることが出来て、その点では満足しているけど、
サッカーは相手よりボールをゴールに入れた回数が多い方が勝つスポーツ。
中3日で迎える次節のアウェイでの大分戦で勝利を収めるために、
シュート練習に励んで欲しいね。
ガンバ大阪1-1横浜Fマリノス
’26 オウンゴール
’45+1 宇佐美貴史