【明治安田生命J3リーグ7節 ガンバ大阪U-23vsFC今治】かつてのガンバの頭脳が若き青黒戦士たちに施したレッスン

2020年11月1日

橋本が効いている

別に今の宮本監督に不満があるわけではないのだけど、
将来、橋本英郎がガンバ大阪の指揮官としてチームを率いる姿を
見てみたいと思っているガンバサポーターは僕以外にもいると思う。

僕が監督・橋本英郎を見てみたい理由は、
ピッチ上で見せるインテリジェンス溢れるプレー面以上に、
ピッチで起こっていることを言語化する能力に長けている選手だと思っているから。

「あの時シュートではなくパスを選択した理由」や、
「この試合でガンバの何が悪かったのか、どうすれば良くなったか」など、
いつも明瞭な答えを持っているので、橋本がガンバでプレーしていた頃は、
彼が試合後のインタビューでどういう話をするのかが楽しみだった。

そんな僕の期待とは裏腹に、
40歳を過ぎてもなおピッチに立ち続けている姿を見ると、
現役に強いこだわりがあるというのは想像するに難くない。

この試合の後半30分に、越智との交代で橋本がピッチから退く時に、
スタジアムから拍手が起こったことからもわかるように、
ガンバサポーターは今でも背番号27に対するリスペクトを忘れていないので、
自分が納得するまでピッチの上で”効いている”プレーを見せて欲しいと思う。

出場していなくても感じる背番号1の偉大さ

3日前、アウェイで岐阜に敗れて4連敗となったU-23は、前節からスタメンを4人変更。

そのスタメン変更の中でも印象的だったのが、
2節のセレッソU-23との大阪ダービー以降、ゴールマウスを守っていた吉川に代わり、
トップチームのセカンドGKの石川がゴールマウスを守ったこと。

まあ、東口が鬼神のような活躍を見せている以上、
東口がケガをしない限りはトップチームで出番が回ってくることはあり得ないので、
試合間隔が鈍らないようにU-23の試合に出場するのもアリだと思う。

前節の岐阜戦で吉川が精度を欠いたキックを連発していたのに比べれば、
この日の石川のキックは安定していたし、決定的なピンチも防ぐなど、
シュートセービングも冴えていたと思う。

ただ、PKによる失点はノーチャンスだったとしても、後半のCKからの失点の場面で、
パンチングをしようとしてボールに触れなかったのはいただけない。

東口はシュートセービングの能力も然ることながら、
ハイボールの処理に関してもJリーグトップクラスだからね。

2014年はセカンドGKに現・甲府の河田晃兵がいてベンチも盤石だったのに、
年々、東口とそれ以外のGKの差が開いているような気がする。

まあ、東口がケガをしなければ問題無いけど、
みんな、東口はヒザに古傷の爆弾があること忘れてないよね?

30分の間だけ見えた光明

この試合のU-23は、前半30分ぐらいまではシュートも打てず、
苦しい試合を強いられていたけど、
前半29分にトップ下の菅野に代えて白井を投入して右サイドに配し、
右サイドの川崎をトップ下にポジション変更してから、
攻撃で良い形が作れるようになった。

反対に、後半14分に荻野に代えて伊勢を投入してボランチに配し、
ボランチの芝本をトップ下に上げ、川崎を再び右サイドにスライドさせて
白井を右SBに下げたあたりからまた攻撃が機能しなくなった。

上記の状況を踏まえると、唐山を頂点にして、
2列目に左から塚元、川崎、白井が並んでいる時が、
U-23は良い攻撃が出来ているように思う。

前半で交代になってしまった菅野も、
狭いスペースで受けることができるので面白い選手なんだけど、
まだプロのスピードやインテンシティに馴染めてないかな。

結局、最後まで得点を奪うことは出来ず5連敗となり、
順位はブービーの17位まで落ちてしまったけど、
この形なら上手くいくという適解は見えたように思う。

トンネルの出口はどこにあるのか

次節はアウェイで長野戦。

昨季のU-23はたくさん得点を挙げるけどたくさん失点もするというチームだったけど、
今季のU-23は得点できずに大量失点するチームになってしまっている。

負の連鎖を断ち切るべくここのところ当たりが止まっているエースの唐山に、
そろそろゴールが欲しいところやね。

負けが込んでいる状況なのでなかなかポジティブになれる要素は難しいけど、
長野には昨季アウェイで勝利しているので、臆せずに臨んで欲しいと思います。

ガンバ大阪U-23 0-2FC今治
’10 桑島良汰
’54 園田卓也