【明治安田生命J1リーグ23節 大分トリニータvsガンバ大阪】やられそうでやられない塩ガンバの強さ

2020年11月1日

負傷者の増加は過密日程のせいだけではない

前節のマリノス戦で今季最高と言ってもいい内容の試合をしながら、
結果的に勝ち点2を取りこぼしたガンバ。

今節の対戦相手は12位の大分トリニータなので、アウェイでの対戦とは言え、
順位を考えると取りこぼさずに確実に勝っておきたい相手だけど、
ガンバを知り尽くしている敵将の片野坂と、
昨夏までガンバに在籍していた田中達也の存在が気になるところ。

アデミウソンと渡邉千真の2トップだとか、ベンチに塚元が入っているとか、
メンバー表を見ながら色々思うところはあったけど、
一番印象的だったのが昌子がベンチにも入っていなかったこと。

前節のマリノス戦の後半に足を痛めてピッチの外に出る場面があったものの、
結果的にフル出場していたので軽傷だったのかと思っていたけど、
三浦が負傷離脱している現状、昌子まで戦線から離れるとなると非常に痛い。

もともとガンバ加入前にフランスでプレーしている時期から故障を抱えていた選手なので、
慎重に起用しなければいけなかったはずなのに、このケガで離脱が長期に及ぶとなると、
マリノス戦でフル出場させたベンチの決断は悪手だったと言わざるを得ないね。

片野坂の術中にはまった前半

試合が始まってみると、この日のガンバの問題点は、
前節のマリノス戦からの変更点とはまた別のところにあったと思う。

大分がガンバと同じ4−4−2の布陣であれば、
目の前にいる選手をマークすればいいだけだけど、大分の布陣は3−4−2−1なので、
布陣の違いによりマークのズレが発生して誰が誰を見るのかはっきりしていなかった。

大分の前線の個の力が弱いので、決定機を作られる場面はそれほど無かったけど、
ガンバは決定機以前にボールポゼッションもままならない状態。

前半のガンバの決定機らしい決定機と言えば、
倉田のハンドで取り消されたアデミウソンのゴールぐらいじゃないだろうか。

両チームの布陣の違いによりマークがずれる現象って、
7月の神戸とのアウェイゲームでも起きていたのだけど、
その時は左のインサイドハーフでプレーしていた小野をシャドーの位置に上げ、
神戸と同じ3−4−2−1にすることで対面の選手をはっきりさせたのだけど、
この試合での宮本監督は頑なに4−4−2から布陣を変えなかったね。

ガンバサポーターには評判の悪い3バックだけど、
この展開でこそ採用すべきだったんじゃないだろうか。

4−4−2にしてからチームの調子が上がっているのでバランスを崩したくないのだろうけど、
4−4−2にする前はあれだけ3−5−2にこだわっていたのだから、
選手も布陣変更に対応できるだろうし、柔軟に併用してもいいんじゃないかと思ったね。

セットプレーは試合の流れと無関係

低調な前半の内容を受け、後半頭から渡邉千真に代えてパトリックを投入。

さらに後半20分に山本とアデミウソンに代えて矢島と宇佐美を投入するも、
選手を入れ替えても同じポジションの選手同士の交代だし、
前半と戦い方を変えているわけではないので、試合の流れは変わらず。

逆に大分の田中達也に3度も恩返しゴールのチャンスを与えてしまったけど、
このピンチは髙尾の体を張ったディフェンスと、東口のスーパーセーブで回避。

半年しかガンバに在籍していなかった選手なので、そこまで思い入れがあるわけじゃないけど、
やっぱり決められると良い気はしないので、封じることが出来て良かった。

すると、ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、
後半27分に宇佐美のCKからパトリックが打点の高いヘディングシュートを叩き込み、
試合の流れを完全に無視して先制。

その後は塚元をJ1デビューさせる余裕も見せつつ、
のらりくらりと時間を使いながら逃げ切り成功。

前節のマリノス戦とは打って変わって塩分濃度の高い試合だったけど、
今季のガンバはポゼッション率が高くてたくさんシュートを打っている試合よりも、
こういうしょっぱい試合をしている方が勝てそうな感じがする。

まあ、今季のスローガンって何やったっけって感じもするけどね。

オルンガ、早く代表に行ってくれ

大分にアウェイで勝利し、8戦負けなしとしたガンバが次節対戦するのは、柏レイソル。

西野監督時代はお得意様だったのに、
長谷川監督以降はすっかり苦手になってしまった相手だけど、
久しぶりに次節まで中5日空くので、良い準備をしてホームゲームに臨んでほしいね。

大分トリニータ01ガンバ大阪
’72 パトリック