【全国高校サッカー選手権大会 2回戦 京都橘vs昌平】本来の戦い方を思い出した優勝候補

やる気があるのか無いのか

大晦日に開幕した高校サッカー選手権は本日が2回戦。

1回戦は公式サイト上で全試合を無料でストリーミング配信していたので、
「おぉ、日テレやるやんけ!」と思ったのだけど、
2回戦からは一部の試合が中継無しという、若干期待外れな感じに。

まあ、幸い僕が見たかった試合は中継があったけど、
この試合が高校最後の試合になるかもしれないのに映像が残らないなんて、
選手やその親族の心中を思うと残念な気持ちになったね。

皆違って皆良い

今大会の優勝候補最右翼は言わずもがな青森山田だけど、
そんな青森山田の対抗馬として目されているのが埼玉代表の昌平。

ところがその昌平は、1回戦で高川学園相手に大苦戦を強いられ、
後半アディショナルタイムに2点差を追いついてからのPK戦勝利という、
薄氷を履むような戦いで2回戦に勝ち上がってきた。

そんな昌平と相対するは1回戦で松本国際を6−0で退けて2回戦に勝ち上がってきた京都橘。

マイボールになると素早く2トップにつける縦に速い攻撃は、
仙頭、小屋松の2トップを擁して選手権で準優勝した時からお馴染みの戦い方。

昌平は、テクニックに秀でてドリブルとパスワークを武器に戦うチームなので、
真逆なカラーのチーム同士の対戦とも言えるね。

昌平は須藤、小川、小見、柴、京都橘は西野と、J内定選手が5人出場した試合だけに、
拮抗した好ゲームが見られるかと思っていたのだけど、
予想に反して一方的な展開になったね。

トドメを刺せなかったことが課題点

ポゼッション率を高めて京都橘の守備陣をこじ開けようとする昌平と、
相手を自陣に引き込んでカウンター狙いの京都橘という試合展開は予想通り。

ただ、この年代を代表するクラックである須藤を中心とした昌平の攻めに、
京都橘の守備陣はボールを奪うのに四苦八苦。

マイボールになっても小川と柴のダブルボランチが2トップへのパスコースを遮断し、
カウンターを繰り出すことすらままならない状態だった。

先述の須藤と小川はいずれもこの春から鹿島への入団が決定しているけど、
どちらかというと黒子に徹してシンプルにプレーする小川の方が、
勝利至上主義的な鹿島のカラーにマッチしているように思う。

対する須藤のような派手なテクニックで魅せる選手は、
見栄えの良さの反面、鹿島のカラーには合わないような気がするんだけど、
プロ入りしてどういう選手になるのかとても興味深いね。

前半20分と前半24分に立て続けに昌平が得点したことで、
終始、昌平が主導権を握る試合展開になったけど、惜しむらくは、
GKをかわして無人のゴールに流し込むだけだったシュートチャンスで、
1トップの小見が枠を外してしまったことかな。

後半の終盤に京都橘がパワープレーで昌平のゴールマウスに攻め込む時間帯が訪れたけど、
前半で3点目のゴールを決めて京都橘の戦意を喪失させておけば、
パワープレーに手を焼くこともなかったと思う。

とは言え、この試合の昌平の選手たちからは1回戦の時のような硬さは感じられなかったので、
今後の試合では彼ら本来の試合が見られそうやね。

それぞれの高校に応じた強化策

一昔前は浦和南や武南といった県南勢が栄華を誇っていた埼玉県において、
近年、躍進が目覚ましい県北勢の昌平だけど、
その躍進を語るにFC LAVIDAという中学年代のチームの存在を抜きに語ることは出来ない。

青森山田や神村学園のように中等部がある高校であれば、
中高6年間で一貫した強化策を講じることが出来るけど、
中等部を持たない高校の場合は、昌平におけるFC LAVIDAのような、
クラブチームを実質の下部組織として機能させる強化策が一種のモデルケースとなりそうやね。

そんな昌平の3回戦の対戦相手は初出場の長崎代表・創成館。

まあ、まともに組み合えば昌平に軍配が上がる試合だと思うけど、
この3回戦というのは、2回戦から2日続けての試合になるので、
往々にして波乱が起こりやすいもの。

3回戦のキックオフまでの22時間でどれだけ回復できるかが、
3回戦のキモになりそうやね。

京都橘02昌平
’20 小見洋太
’24 平原隆暉