【明治安田生命J1リーグ1節 ヴィッセル神戸vsガンバ大阪】この残念な感じこそガンバ大阪の開幕戦

何度味わっても開幕の高揚感は良いものだ

我らがガンバ大阪の2021年シーズンが今日から開幕。

開幕戦に勝ったからと言って獲得できる勝ち点が増えるわけではないけど、
暦上の1月1日のように新たな1年の幕開けを肌に触れ、
気持ちが引き締まるというか、特別な高揚感をもたらしてくれる。

2020年シーズンはコロナ禍の特別ルールにより降格クラブが無かったため、
2021年のJ1リーグは、昨季の参加クラブ18に加え、昨季のJ2覇者の徳島と、
2位の福岡を加えた計20クラブで各クラブ38試合を戦うという過密日程。

さらに、自動降格枠が4クラブということもあり、
通常のシーズンでも熾烈を極める残留争いがさらに過酷なものになりそうやね。

ガンバにとっても久々となるリーグ戦とACLを並行して戦う2021年シーズンなので、
例年以上に熱い戦いが見られることに期待したいね。

今季も宇佐美貴史に課せられるタスク

御崎公園に乗り込んだガンバのスタメンは、先週のゼロックスから倉田と菅沼が外れ、
宇佐美と昌子がメンバー表に名を連ねた。

ゼロックスでは、昨季のリーグチャンピオンの川崎相手に結果として敗れはしたものの、
手応えのある試合が出来たので、神戸相手にどんな試合が見られるのか楽しみにしていたのだけど、
期待に反して、終始神戸にボールを握られ守勢を強いられる苦しい展開。

高い位置でボールを奪うために、
井手口がパトリックを追い越す勢いで猛烈にプレスを掛けるんだけど、
後ろがついてきていない場面が多く、前線からのプレスをかわされると、
間延びしたスペース(主にアンカーの山本の脇)で神戸の選手にボールを受けられ、
攻撃の起点を作られていた。

とは言え、神戸に終始ボールを支配されている割には、神戸のチャンスらしいチャンスって、
井上潮音が右サイドの角度の無いところから打ったシュートぐらいだったので、
最終ラインのところでは上手く守れていたのかなと思う。

試合開始から全くと言ってチャンスを作れていなかったガンバが攻勢に転じ始めたのは、
前半の飲水タイムが明けた後から。

それまで右サイドに張っていた宇佐美が、中盤に下がってビルドアップに参加するようになると、
山本に集中していたマークが分散されたことも相まって、ガンバがボールを持てるようになった。

ただ、宇佐美が中盤に下がらないとビルドアップが機能しないというのは昨季からの課題なので、
その課題が、先日まで行われていたキャンプの中で解消されていなかったのは残念の一言だけども。

神戸のスピードスターを蘇らせた指揮官の悪手

後半も前半の良い流れを継続したガンバが攻勢に試合を進めるも、
小野瀬や宇佐美のシュートは前川のセーブに遭い、ゴールを挙げるまでには至らず。

そんな状況を打破すべく、宮本監督は宇佐美とパトリックに代えて、
レアンドロ・ペレイラと髙尾を投入するもこの交代が悪手。

交代する際に腕を押さえていたので、負傷を考慮しての交代だったのかなと思うけど、
宇佐美がピッチから去ったことでまたしてもビルドアップが機能不全に陥ってしまった。

さらに、連携不足が明らかなレアンドロ・ペレイラがピッチ上で行方不明になり、
実質数的有利になった神戸が試合の流れを引き戻すと、
これまで窮屈そうにプレーしていた古橋が躍動する。

クロスバー直撃のシュートを放ったり、昌子のトラップミスを奪って、
東口の守るゴールに攻め入るなど、ガンバとしてはあわやという場面を何度も作り出されてしまった。

そして、後半34分に山口蛍がDFラインの裏に送ったロングボールに対し、
見事なランニングで昌子との競争を制したのはまたしても古橋。

あのループシュートはさすがの東口でもノーチャンスだったね。

その後、井手口に代えてチアゴ・アウベスを投入したり、
三浦を前線に上げてパワープレーを狙うも、講じた策は実ること無く完封負け。

ガンバ大阪の2021年シーズンは黒星で発進することになってしまったね。

開幕戦に勝てないのは仕様です

先週のゼロックスで今季のガンバに対する期待値は高まっていただけに、
開幕戦黒星という期待を裏切られた形になってしまったけど、
そもそもガンバって、昨年、日産スタジアムでマリノスに勝つまで、
8シーズン連続で開幕戦勝利が無かったチームなので、
開幕戦で勝てないのはある意味通常営業のようなもの。

試合に負けたので決して気分が良い訳では無いけど、
中3日で名古屋戦が控えているので、あまり引き摺らずに切り替えていきましょう。

日曜日の福岡戦から中2日の名古屋と比べると、
日程面のアドバンテージはガンバの方にあるので、
コンディションの利を生かしたいところやね。

ヴィッセル神戸10ガンバ大阪
’79 古橋享梧