【明治安田生命J1リーグ30節 ガンバ大阪vs柏レイソル】どれだけ攻められても最終的に勝てばいい
湘南戦の勝利はラッキーパンチではないはず
先日の鹿島戦後のブログで、「このままでは湘南戦にも柏戦にも勝てない」と書いたけど、
その湘南戦で4-1の勝利を挙げた我らがガンバ大阪。
試合のTV中継が無かったので、詳細な試合内容はわからないんだけど、
今季ここまで29試合で22得点しか挙げられていないチームが、
天皇杯とはいえJ1のチーム相手に4得点を挙げるなんてにわかには信じがたい。
まあ、せっかく久しぶりに試合に勝ったのに、
ネガティブなことを書くのは無粋なので素直に喜んでおこうと思うけど、
13位の柏とのシックスポインターズに勝利することで、
湘南戦の快勝がフロックでないことを証明したいところだ。
スカウティングがハマった前半
すっかり秋めいてきた吹田のピッチに送り出された青黒の11人は以下の通り。
ミッドウィークに行われた天皇杯の湘南戦に引き続き、4-2-3-1を採用。
西野監督のもと超攻撃的なサッカーを繰り広げていた、
2004年~2006年のガンバは3バックのチームだったし、
今でも札幌のように3バックでも攻撃的なチームはあるけど、
今のガンバのようにボール支配率が低いチームだと、
両WBが押し込まれて5バックになりやすいので、どうしても攻撃力が下がってしまう。
それに、そもそも松波監督が3バックを採用した経緯って、
2CB+2ボランチだと中央の守備の強度が下がってしまうので、
CBに代表クラスの選手を揃えているという強みを生かした3バックにして、
中央の守備の強度を上げようという意図だったんだろうけど、
三浦と昌子をケガで欠いている現状だと3バックにこだわる必要も無いので、
4バックにしたのは攻守両面に於いて賢明な判断だと思う。
対する柏の布陣はガンバが前節まで採用していた3-4-2-1。
ガンバは調子が良い時でも柏戦は勝率が悪いので、
難しい試合になるだろうなとは思っていたけど、
宇佐美の左サイドからのFKが直接決まって前半3分という早い時間にガンバが先制。
名手・キムスンギュの手前でワンバウンドする速いボールを入れた、
宇佐美のキック精度も然ることながら、
ニアサイドでストーンの選手をブロックしてシュートコースを空けた、
柳澤のプレーも見逃せないところだったね。
さらに前半26分には宇佐美の右サイドからのFKを、
菅沼がファーサイドでドンピシャで合わせて追加点。
ボール支配率やシュート数では柏に大きく劣ったものの、前半で本当に危なかったのは、
前半終了間際に古賀の縦パスを受けた瀬川に前を向かれた場面ぐらいで、
劣勢の中、セットプレーから確実に得点を重ねていく戦い方は、
2位になった昨季のリーグ戦を彷彿とさせるものがあったね。
倉田が負傷(打撲?)により前半の飲水タイムで矢島と交代になったこと以外は、
概ねプラン通りの戦い方が出来たんじゃないだろうか。
命からがらの逃げ切り
前半の結果を受けて百戦錬磨のネルシーニョが何も手を打たないわけがなく、
柏は後半頭から北爪に代えて武藤を投入して布陣をガンバと同じ4-2-3-1に変更し、
ミラーゲームを仕掛けてきた。
しばらくのあいだ交代の効果は見られなかったので、
あまり意味のない交代だったかなと思っていたのだけど、
エメルソン・サントスの右SBがしっくりきていないと見るや、
CBの大南とエメルソン・サントスのポジションを入れ替えて修正を図り、
たちまち新布陣を機能させたネルシーニョ。
対する松波監督は2点リードしているということもあってか、
前半に引き続きボール支配率とシュート数で圧倒されているチームを静観。
明らかに修正を必要としていたのはガンバのように思えたのだけど、
後半31分にようやく切った、
チュ・セジョンと柳澤に代えて井手口と髙尾という交代カードも、
メンバー表の名前が変わる以外の効果は無かったように思う。
そんな守勢の試合展開の中でも、東口を中心とした守備陣の奮闘により、
柏に得点を許さずに試合終盤まで持ち込んだものの、
後半41分に左サイドを抜け出したクリスティアーノのクロスを、
中央で神谷に押し込まれついに失点。
その後は柏のパワープレーに晒され、
いつ試合を振り出しに戻されるゴールが決まってもおかしくない状態だったけど、
なんとか1点リードを守り切り、連敗を4でストップ。
柏の攻撃の起点になっていた瀬川が後半に負傷交代したことと、
試合終盤のパワープレーの際に、柏に本職のCFがいなかったことが、
ガンバにとってラッキーだったね。
どういう事情があったのか知らないけど、長身FWのペドロ・ハウルを移籍させたことで、
柏は攻撃のオプションを1つ失ったんじゃないだろうか。
例年であれば得意な季節
なにはともあれシックスポインターズを制して13位に浮上したガンバ。
次節はホームで好相性の12位の札幌なので、
確実に叩いて勝ち点差を縮めたいところ。
倉田のケガの程度が気になるところだけど、
10月は動けるメンバーで勝ち点を稼いでJ1残留を確実なものにしつつ、
残されたタイトルである天皇杯の準々決勝・浦和戦に照準を合わせて、
チームパフォーマンスを上げていって欲しいね。
ガンバ大阪2-1柏レイソル
‘3 宇佐美貴史
’26 菅沼駿哉
’86 神谷優太