【明治安田生命J1リーグ1節 ガンバ大阪vs鹿島アントラーズ】出だしで躓くのはいつものこととは言え

1年の計は開幕戦にあり

1993年にわずか10チームで開幕したJリーグも今年で30年目。

初年度から参加している我らがガンバ大阪は、
新たなエンブレムのもと、30回目のJリーグの開幕戦を迎えた。

そんな節目のシーズンに指揮官として招き入れた片野坂知宏が、
かつてコーチとして多くの勝利に関わったチームを率い、
どのようなサッカーを見せてくれるのか楽しみでならないね。

相対するはこちらも30回目の開幕戦を迎える鹿島アントラーズ。

Jリーグの創成期から歴史を紡いできたチーム同士、
30年とは言わず、50年、100年とこれからも良い試合をしていきたいものだね。

…と、試合前は思っていたのだけど。

満を持してベールを脱いだカタノサッカー

冷たい雨の降るパナソニックスタジアム吹田に送り出された青黒の11人は以下の通り。

プレシーズンマッチの京都戦が、ガンバのチーム内で、
新型コロナウイルスの感染者が発生したという理由で中止になったので、
正直なところ今季のガンバがどんなチームに仕上がっているのか
見当もつかなかったのだけど、スタメンを見て驚いたのは、
純粋なCBが昌子1人だけで、右CBに髙尾、左CBに柳澤を起用してきたこと。

3バックの両サイドにSBタイプの選手を置いて攻撃参加させるのは、
昨季まで片野坂監督が率いていた大分トリニータでも見られていた形だけど、
宮本監督時代に右CBの経験がある髙尾はある程度計算が立つ反面、
柳澤が左CBでどれだけやれるかは未知数だ。

あと、109試合連続でフルタイム出場を続けていた東口がベンチにも入らず、
代わりにゴールマウスを守ったのは石川。

カップ戦やACL、U-23の試合には出ていたとは言え、
ガンバに来てからリーグ戦初出場なのでどうかなとは思っていたけど、
この試合を見れる試合として成立させていたのは、
石川の度重なるスーパーセーブがあったからこそ。

この試合の石川の動きで、唯一クエスチョンマークが出たのが、
前半20分の上田のゴールの場面で、
ピトゥカのスルーパスを前に出て処理しようとしたけど、
上田より先にボールに触れないと見てセービングに切り替えたものの、
シュートストップの体勢を取り切れなかった場面ぐらいかな。

ただ、あの場面は、ペナルティエリア右の角度の無いところから、
逆サイドのサイドネットにあれだけ強烈なシュートを打てる上田のシュート力も、
大したものだと思ったけどね。

かくして1点を追う展開となったガンバだけど、
ビハインドの時間はそう長くは続かなかった。

前半26分の宇佐美の左からのCKは関川にクリアされるも、
このルーズボールをペナルティエリア外で待ち構えていた小野瀬が、
見事なミドルシュートでを叩き込んでスコアを振り出しに戻すことに成功。

昨季はまさかの無得点に終わってしまった小野瀬だけど、
今季は幸先良く開幕戦でゴールを挙げることが出来たので、
この調子で2019年シーズンの8得点を超える活躍を期待したいね。

しかしながら、小野瀬のゴラッソで同点に追いついたのも束の間、
柳澤がDFラインでのパス回しをカットされると、
鈴木優磨に決められ、再びリードを許してしまった。

不慣れなポジションで起用されているので同情したくなる気持ちはあるけど、
1失点目の上田に裏を取られた時の対応と言い、
この日の柳澤のプレーははっきり言って良くなかったね。

何のためのVARか?

再び1点を追う展開になったガンバにさらなる試練が襲いかかる。

ボールを追いかけていたパトリックが鈴木優磨に後ろからチャージを受けると、
パトリックが腕を振ったのが報復行為とみなされ、レッドカードを受けてしまった。

最初は、パトリックがカッとなってしまったのかな?と思ったのだけど、
その後に流れたリプレイの映像を見ると、
再びボールを追いかけようとしていたパトリックの脚を掴んでいたのは鈴木で、
パトリックは「離せよ」ってやっただけのように見えた。

さらに、パトリックが振った腕は鈴木に当たってもいないのに、
大袈裟に痛がる素振りを見せて主審を欺こうとしていたので、
どちらかと言うと鈴木にカードが出てもおかしくないようなプレーだった。

一昔前だったらマリーシアだとか言ってもてはやされていたプレーだけど、
こういうプレーを無くすためにVARを導入したんじゃなかったのだろうか。

この試合の主審は、
昨季、ガンバが川崎と対戦したゼロックススーパーカップでも笛を吹いた荒木友輔。

1年のジャッジの基準を示す位置付けの試合である、
スーパーカップの主審を任されるぐらいだから、JFAには期待されているのだろうけど、
この試合でガンバサポーターには要注意人物としてインプットされることになったね。

数的同数の時間帯はピンチがありながらもガンバはチャンスが作れていたけど、
その後は鹿島に一方的にシュートを浴びせられる展開。

石川のシュートストップで1点ビハインドを保ちつつ、
後半頭から投入された山見を経由した攻撃に糸口を見つけ出したいところだったけど、
倉田に訪れた決定機は枠を捉えきれず。

反対に荒木遼太郎のスルーパスを受けた上田に3点目のゴールを許し、勝負あり。

この分だと上田は夏には日本からいなくなってそうだけど、
どこかの誰かさんみたいに海外挑戦したもののステップアップが上手くいかず、
痛がる演技だけ上手くなって日本に帰ってくるのだけはやめてもらいたいね。

開幕戦で勝てないのは仕様とは言うけれど…

開幕戦で勝てないのは毎年のことなので折り込み済みなところがあるけど、
今季の開幕戦は例年以上にモヤモヤするものになってしまった。

ただ、だからと言っていつまでも文句ばかり言ってられないので、
次の試合に向けて切り替えないとね。

ミッドウィークにはルヴァンカップのグループステージ1節のセレッソ戦、
さらに週末には浦和とのアウェイゲームと言う、
なかなかディープな連戦が待っているので、
ここを叩いて上昇気流を掴みたいところやね。

ガンバ大阪13鹿島アントラーズ
’20 上田綺世
’26 小野瀬康介
’30 鈴木優磨
’66 上田綺世