【明治安田生命J1リーグ30節 湘南ベルマーレvsガンバ大阪】残留争いにさよならを

2020年11月1日

パワハラ、ダメ、ゼッタイ

技術面の拙さを運動量と高いインテンシティでカバーする、
湘南スタイルと呼ばれるサッカーは、
テクニカルなチームが多いJに於いて異彩を放っていて、
個人的にはとても好感度が高かった。

また、湘南のロッカールームの熱さが話題になった時も、
ガンバの選手たちにもこれぐらいの闘志が欲しいなぁなんて思ったりもしたのだけど、
今とはなっては、そんな熱さの裏にも色々と問題を抱えていたのだなと思う。

先日の台風で練習場が水没した件についてはお気の毒様としか言いようが無いけど、
曺キジェ前監督のパワハラに関しては同情の余地は全く無いと思っている。

浮嶋新監督になって以降も、相変わらず求心力を失っている湘南だけど、
ガンバはどういうわけかこの手の上手くいっていない相手に優しいので、
勝ち点をプレゼントしないか心配していたものの、終わってみれば杞憂でしたね。

倉田、井手口、矢島、三者三様のインサイドハーフ像

前節の川崎戦で倉田が顔面を骨折したことで、どのような布陣になるのかと思っていたら、
遠藤をアンカーに配し、矢島を一列前で起用してきた。

湘南相手だとある程度ボールを握れると踏んで、遠藤と矢島を同時起用したのだろうけど、
矢島のインサイドハーフ起用は攻撃面ではクリエイティブで面白いけど、
倉田や井手口と比べると守備面での球際の緩さが気になるので、
個人的にはあまり好きじゃなかった。

ところが、この試合での矢島は、パス交換やドリブルでチャンスを作り出すだけでなく、
守備面でも臆することなく体をぶつけるなど、
ハードワークしていて良い意味で期待を裏切ってくれた。

今季の序盤頃までは背番号21に対して懐疑的な見方をしていたけど、
今やすっかりガンバに欠かせない戦力になった感があるね。

先制点を挙げた小野瀬や、2ゴールを挙げた宇佐美のプレーも勿論良かったけど、
個人的にはこの試合のMOMは矢島にあげたいと思う。

宇佐美貴史、いよいよ本領発揮か

今夏、ガンバに二度目の帰還を果たし、
復帰後の初戦であるアウェイ名古屋戦でさっそくゴールを決めたものの、その後が続かず、
なかなか本領発揮に至らなかった背番号33だったけど、
先月のホームでの札幌戦のゴール以降、感覚を取り戻したように見える。

前半10分にセットプレーから小野瀬が先制ゴールを挙げたものの、
その後は湘南にチャンスを作られる場面も多く、
決して良い流れとはいえない時間が続いていた中で、
前半終了間際に見せたゴールは、僕らが良く知っている宇佐美貴史のシュートだった。

また、後半開始早々に決めたこの試合2点目のゴールに関しても、
GKのタイミングをずらして左足で決めるあたり、周りも良く見えているように思う。

相変わらず消えている時間も長いので、
その辺は良くも悪くも宇佐美だなと思うのだけど、
やはりガンバのゴール裏がポパイザセーラーマンを気持ちよく歌っていると、
チームの状態も良いように感じるのです。

J1残留を決めて来季の話をしよう

順位こそ前節終了時点と同じ9位だけど、
この試合の勝利で勝ち点を38に伸ばし、久しぶりに得失点差もプラスに。

まだJ1残留は決まったわけじゃないけど、
下位の状況を見る限りほぼ決まりと言っていいだろうね。

まあ、本来はJ1残留を決めて喜んでいるようではいけないと思うけど、
この試合の前に平畠啓史が湘南サポーターに向けて言っていた、
「今は苦しいかもしれないけどそれを乗り越えた時に楽しさがある」というのは、
今のガンバにも当てはまるところはあるんじゃないだろうか。

ここ2シーズン、残留争いに巻き込まれたガンバだけど、
来季こそはまた僕たちをワクワクさせるような戦いを見せて欲しいと思う。

そのためにも、次節、大分に勝ってJ1残留を確定させようじゃありませんか。

湘南ベルマーレ03ガンバ大阪
’10 小野瀬康介
‘45+1 宇佐美貴史
’50 宇佐美貴史