【AFCアジアカップ 準決勝 日本vsイラン】心は熱く頭は冷静に戦った日本の選手達

事実上の決勝戦

昨夏のロシアワールドカップで、アジア勢唯一の決勝トーナメントに進出した日本と、
FIFAランキングでアジア最高の29位のイランとの対戦を、
事実上の決勝戦と言っても過言では無いだろう。

しかしながら、今回のアジアカップのここまでの勝ち上がりを見ると、
イラン有利という下馬評になるのは致し方無い。

グループステージで苦戦を強いられ、
決勝トーナメントでも薄氷を踏むような戦いを続けていた日本に対し、
イランはグループステージからの5試合を無失点で切り抜け、
攻めては12得点を挙げる攻撃陣を見れば尚更だろう。

そんな隙が無いと思われていたイランとの試合が、
ワンサイドゲームになるとは試合が始まる前は思ってもみなかった。

先にミスをした方が負けるとは限らない

自陣でブロックを形成して守備を固め、
マイボールになればダイレクトに最前線のアズムンを狙うイランに対し、
ボールを握ったのは日本。

この試合から先発に復帰した大迫の巧みなポストプレーから展開される攻撃は、
大迫がスタメンから外れたグループステージ2節以降見られなかったものだった。

しかし、イランもボールへの寄せが早く、
なかなか敵陣で自由にプレーをさせてもらえなかった。

お互いにゴール前の攻防が少なく、中盤での鍔迫り合いが続くじりじりとした展開に、
「こういう試合って最初にミスをした方が負けるんだよな」と思っていたら、
権田がビルドアップのパスを痛恨のミス。

これをイランのエースであるアズムンにシュートまで持ち込まれてしまったけど、
ミスをした張本人の権田がスーパーセーブで凌ぐという場面があった。

幸い、失点には繋がらなかったものの、
このプレー以降、イランが試合の主導権を握ってしまったので、
もしこの試合で負けるようなことがあれば、
この権田のミスがターニングポイントだったと言われても仕方が無かっただろう。

昨季のサガン鳥栖でのパフォーマンスは目を見張るものがあった権田だけど、
今大会は不安定なプレーが続いている。

ストイックすぎる性格が故に自分を追い込みすぎるきらいのある選手だけど、
ここまで来て決勝戦だけキーパーを変えるなんてことは考えづらいので、
良い意味で開き直って金曜日の試合に臨んでほしい。

ペルシャの壁を破った青い侍たち

一進一退の攻防が続いていた試合はひょんなことから動く。

大迫のポストプレーからDFラインの裏へ抜け出した南野が、
イランのDFに倒されるも主審の笛はならず。

しかし、ファウルを取られたとセルフジャッジしたイランの選手たちが、
主審に抗議している間に南野はプレーを再開。

ゴールライン際でボールを拾うと、
ゴール前で待ち構えている大迫へピンポイントのクロスを供給し、
これを大迫が頭で決めて日本が先制をすることに成功した。

試合後にイランの指揮官のケイロスが苦言を呈していたように、
完全にイランの選手たちのボーンヘッドだったけど、
日本としては「笛が鳴るまでプレーをやめてはいけないよ」という、
少年サッカーの良い教材が出来たね。

そして、このプレーで今大会初失点を喫したイランは、明らかに集中力を切らしてしまった。

南野のマイナスのクロスが、
ペナルティエリア内でイランのDFの手に当たりPKを獲得すると、
このPKを大迫が決めて2-0。

さらには後半アディショナルタイムに南野のパスから原口が決め、
イランにとどめをさせた。

2得点を含め、前線で圧倒的な存在感を示した大迫がMOMなのは言うまでも無いけど、
ここのところ精彩を欠いていた南野が、3得点全てに絡む活躍を見せたのは、
決勝戦に向けてのポジティブな要素。

また、守ってもイランのエースであるアズムンを、
吉田と冨安が完ぺきな守備を披露して封じ込めたことで、
攻守両面に於いてポジティブな雰囲気で決勝に臨むことが出来そうだね。

ただ、遠藤航が故障したことで、
ただでさえも層の薄いボランチがさらに手薄になってしまったけど、今の日本であれば、
決勝の相手がUAEとカタールのどちらでも勝利することが出来るでしょう。

立つ鳥跡を濁す

アジア最高峰の戦いと言ってもいいこの試合に於いて残念だったのは、
2-0になったあたりから目立ち始めたイランの選手たちのラフプレーの数々。

特に、エースのアズムンは、思うようにプレー出来ない苛立ちからか、
倒れている室屋を叩いたり、柴崎にビンタを食らわせるなどやりたい放題。

なぜ退場にならなかったのか不思議でしょうがないのだけど、
才能のある選手であることは間違いないだけに、
つまらないことで自分のキャリアを棒に振るようなことはやめてほしいね。

日本30イラン
’56 大迫勇也
’67 大迫勇也
‘90+2 原口元気