【全国大学サッカー選手権 決勝 明治大学vs桐蔭横浜大学】延長前後半30分だけ見ていればいい試合

大学日本一を決める戦い

今日はインカレの決勝、明治大学と桐蔭横浜大学の試合を見に浦和の駒場スタジアムへ。

ユース年代の情報はチェックしているけど、
大学サッカーに関しては全然ウォッチしていないので、
今どこの大学が強いのか把握出来ていないのだけど、
たまに大学サッカーを見ると、高体連やクラブユースで活躍した選手の名前を目にして、
「あぁ、あの選手、今この大学にいるのか!」という発見があるのが面白かったりする。

例えば、この試合で言えば、明治の中村(東福岡)や住永(青森山田)、
桐蔭横浜の鳥海(桐光学園)、岩下(前橋育英)とかね。

ただ、この日、浦和レッズのかつての本拠地で行われた試合の展開は、
手に汗握る非常にエキサイティングなもので、
前述のようなノスタルジーに浸る暇さえ与えないものだった。

明治が攻めて桐蔭横浜が耐える90分

明治は、関東大学リーグ、総理大臣杯に続き、
大学3冠を懸けてこの試合を戦っていることもあり、
個々の能力では桐蔭横浜よりも1枚、2枚上手という印象。

そんな明治に対し、個の力で劣る桐蔭横浜がミラーゲームで挑んだこともあり、
必然的に1対1の局面が増えて、余計に個の力の差がはっきりと出ているような感じだった。

両校の力量差を考えていないようにも思える桐蔭横浜のプランニングに、
明治に得点が入るのも時間の問題かなと思っていたのだけど、
そんな明治の攻撃陣の前に立ちはだかったのは桐蔭横浜のGK早坂。

ゴールポストやシュートミスに助けられる場面もあったけど、
明治の選手の枠内シュートを次々とストップする姿は、守護神の名に相応しいものだった。

そんなGKの頑張りに応えるべく、
桐蔭横浜もカウンターから明治のゴールに迫る場面も何度かあったけど、
明治のCB2枚がとても集中した守りを見せていたので、
決定機らしい決定機は無かったように思う。

試合の大勢を変えた主審の笛

結局、試合は90分で決着が着かず、前後半30分の延長戦へ突入。

駒場スタジアムの照明設備が工事中で使えないということもあり、
ゴルフだったら日没サスペンデッドになりそうな薄暗い中始まった、
延長前半にいきなり試合は動く。

桐蔭横浜の右サイドからのFKをファーで折り返すと、
中で待ち受けていたCBの眞鍋が合わせて、この試合で終始劣勢だった桐蔭横浜が先制に成功。

このまま番狂わせで桐蔭横浜が勝つのかと思ったのも束の間、
PKで明治が試合を振り出しに戻すと、立て続けに勝ち越し、ダメ押しのゴールも挙げ、
終わってみれば明治の順当勝ちという結果になった。

とは言うものの、延長前半に明治に与えられたPKの判定は、
ゴールに向かっていないプレーの中で鳴った笛だったので、
桐蔭横浜にとって非常に厳しい判定だったと言わざるを得ない。

大学3冠を達成した明治のパフォーマンスは素晴らしかったけど、
主審の「この試合を面白くしてやろう」みたいな判定が、
試合の流れを変えてしまったのがなんとなく後味の悪い試合だったね。

これは学生スポーツではなくセミプロだ

久しぶりに大学サッカーを見て思ったことは、
ユース年代と違い既に完成されている選手が多いので、
J3やJFLの試合を見ているような感覚に近いね。

個人的には、ユース年代の発展途上感が好きなんだけど、
高卒でプロ入り出来なかった選手たちが研鑽を積んで再度プロを目指す場として、
大学サッカーは機能していると思う。

明治は瀬古、中村、森下、桐蔭横浜は眞鍋、イサカ・ゼインなど、
Jクラブに内定をもらっている選手も多いので、
彼らが来季以降、Jのピッチでどのようなプレーを見せてくれるのかが楽しみやね。

明治大学31桐蔭横浜大学
’92 眞鍋旭輝
’95 佐藤亮
’97 蓮川壮大
’112 森下龍矢