【明治安田生命J1リーグ16節 ガンバ大阪vs湘南ベルマーレ】監督の首元が涼しくなってきたのは秋が訪れたからではない

2020年9月19日

荒療治は用法用量をお守りください

U-23の富山遠征に唐山と塚元が帯同していなかったことで、
てっきりトップチームの今節の試合にメンバー入りするのかなと思っていたのだけど、
蓋を開けてみればベンチ外。

前節の柏戦で為す術もなく敗北を喫したことで、昨季のホームでの大阪ダービーで、
髙江、髙尾、福田を抜擢した時のような荒療治を施すのかなと思っていたのだけど、
まだ今のチームにドラスティックな変化は必要ないということなのかね。

ただ、順位こそトップハーフにいるとは言っても、チームとしてのパフォーマンスは下降の一途。

ここ数試合の戦いぶりを見る限り、同じメンバーを出場させて同じやり方で試合に臨んでも
上がり目があるとは思えないんだけども。

チームが上手くいっていない時ほどチャンスは来るもの

今節のスタメンは、前節のメンバーからキムヨングォン、アデミウソン、藤春が外れ、
代わりに髙尾、渡邉千真、福田がIN。

キムヨングォンに関してはベンチにも入っていなかったけど、故障でもしたのだろうか。

ただ、そのおかげと言ったら語弊があるけど、髙尾が右CBに入ったことで、
小野瀬との連携で右サイドを攻略する場面が復活。

昌子がスタメンで出場するようになってから、三浦が右CBを務めることが増えたけど、
単純なディフェンダーとしての能力は髙尾より三浦の方が優れているとは言え、
攻撃の局面でSB化することが求められるガンバの右CBは、
やはり本職が右SBの髙尾の方が適任だと思っている。

それだけに髙尾には、与えられたチャンスで周囲を納得させるプレーを見せて欲しいのだけど、
失点の場面で大野のマークを外してしまうなど、
先日のホームでの浦和戦で犯した自陣でのパスミスに続き、
またしてもケチがつく格好になってしまったのが残念だった。
(まあ、失点の場面は三浦もミスっているけど)

また、藤春に代わってチャンスを得た福田に関しては概ね高評価だったように思う。

藤春は左SBのポジションから前方のスペースにトップスピードで入っていき、
パスをもらったら縦に抜けてクロスというプレーを得意にしているけど、
左SBよりも攻撃時のポジショニングが高い左WBでプレーしていると、
止まった状態で足元でパスを受ける場面が多いから、藤春の良さがあまり生きないのよね。

その点、福田はドリブルを得意としているので、止まった状態でパスを受けても、
縦に突破してクロスや中央に進入してシュートというプレーを選択出来るので、
ノッキングを起こしてバックパスを選択する場面も減るだろうから、
藤春のミスが続く前から、左WBとして起用するなら福田だろうと思っていた。

この試合のチームとしてのパフォーマンスは良くなかったけど、
福田のパフォーマンスは次のチャンスを与えられるに値するものだったので、
すぐにまた試合が来ると思って良い準備をして欲しいね。

個の力の高さが得点力に直結するとは限らない

宮本監督のサッカーを批判する内容の一つに「攻撃が選手任せだ」というのがあるけど、
個人的には攻撃を選手のクオリティに委ねることは必ずしも悪ではないと思っている。

現・マンチェスターシティ監督のペップ・グアルディオラが、
「監督の仕事は綺麗な形でペナルティエリアにボールを届ける道筋を作ることで、
ペナルティエリア内でゴールを奪うことは選手個人のクオリティだ」と
語っていたことがあるぐらいだし。

ただ、今のガンバのサッカーを見る限り、ペナルティエリアどころか、
ハーフウェイラインを越えたら選手のクオリティに委ねている感すらある。

2トップがアデミウソンと宇佐美というドリブラー2人の時は、特に攻撃の約束事が無くても、
相手ゴール近くまでボールを運ぶことは出来たけど、2人のようなドリブルもなく、
パトリックほどペナルティエリア内で高さを発揮できるわけでもない渡邉千真を、
先発で起用したところで機能しないのは必然かと。

そんな渡邉千真を下げてアデミウソンを投入した采配は納得出来るものだったけど、
後半28分まで引っ張る必要はあったのだろうか。

すると、どういう因果かその交代の1分後に失点。

後半アディショナルタイムには、アデミウソンのシュートがクロスバーを叩いたり、
ヘディングの競り合いでパトリックが大岩に肘打ちをかまして大岩が流血するなど、
その後の戦いは上手くいっていないチームそのもの。

今季まだ1勝の湘南に8戦ぶりの勝利をプレゼントしてあげるなんて、
ガンバ大阪はいつの間にプロサッカークラブからボランティア団体になったんでしょうかね。

監督交代はあるのか?

今季はコロナ禍の影響で下部リーグへの降格が無いため、
思い切った戦術変更や、若手の抜擢をしているチームが目立つなど、
Jリーグにポジティブな変化をもたらしている。

その反面、どれだけ成績が悪くてもJ2に降格しない、
コロナ禍でチームの財政状態が悪いという2点が、監督交代を消極的にさせている感がある。

本音を言えば、宮本監督の元でタイトルを獲得したいけど、
この状況続けば、長谷川健太監督時代の末期のように、
チームが焼け野原になるんじゃないかと思っているのだけど、心配しすぎだろうか。

山内前社長のもと、OBで固められたフロント陣が、
クラブのレジェンドである宮本監督にドライな決断を下せるとは思えないので、
今季はこのまま宮本監督でいくだろうけどね。

そんなガンバの次節の試合はアウェイでの札幌戦。

その札幌は、現在、リーグで9戦勝ち無しと泥沼にハマっているようだけど、
今のガンバのチーム状態に鑑みると、
札幌が10試合ぶりの勝利を挙げるフラグが立っているようにしか思えないんですがね。

ガンバ大阪01湘南ベルマーレ
’74 大野和成