【明治安田生命J1リーグ28節 ガンバ大阪vs浦和レッズ】えっと・・・退場者を出したのはどちらでしたっけ?
4度目の正直なるか
前節、食野のゴールで先制するも、試合終盤の失点で勝ち点3を取り損ねた我らがガンバ大阪。
今節の対戦相手の浦和とは今季3戦3敗と一度も勝てていないけど、
ミッドウィークに中国でACLを戦っている浦和と比べ、
前節から中6日と休養十分なガンバはコンディション面で有利。
今季のここまでの浦和との戦績を良く思っている選手なんていないだろうから、
運動量で上回って試合の主導権を握り、4度目の対戦で意地を見せて欲しいところだ。
青黒の至宝の輝きで先に試合を動かすも・・・
今節のJ1の試合で一番最後にキックオフの笛が鳴る一戦に臨む、
ガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。
前節の新潟戦で途中出場して出色のパフォーマンスを見せていたネタ・ラヴィが、
スタメン復帰するかと思われたけど、今節はベンチにも入らず、
結局、一度も浦和のサポーターの前でプレーすることなく今季の対戦を終了。
(どうやらこの日はユダヤ教の宗教上の休日で労働は禁止らしい)
また、右SBは髙尾ではなく、今夏鳥栖からレンタルで加入した中野を起用してきたね。
序盤こそ体力的があるうちに先制したい浦和に押し込まれるものの、
この時間帯を凌ぎ切ると、金髪になった黒川の仕掛けから酒井のファウルを誘ってFKを獲得。
キッカーの宇佐美は中に合わせるボールを蹴ると見せかけた助走で、
GKの西川の前でワンバウンドする軌道のキックを放つと、
これが西川の手を掠めてゴールマウスに吸い込まれ、前半17分にガンバが先制。
オンザボールでは全盛期の輝きを失ってしまった宇佐美だけど、
セットプレーのキックの精度は錆び付いていないことを証明したね。
この勢いで追加点と行きたいところだったけど、
左サイドは黒川が果敢な仕掛けを見せる一方で、右サイドの中野が大ブレーキ。
両サイドこなせる左利きのSBと言う触れ込みで入団したと記憶しているのだけど、
左足のパスコースを切られると右足で精度の低いパスやクロスを繰り出すばかりか、
食野やダワンと連携の意図も合わずで攻勢ムードに水を差してしまった。
ポヤトスが髙尾のプレーに満足していないことは明らかなので、
結局のところ右SBは半田の復帰待ちということになるんだろうか。
そんなことをしている間に、右サイドからの浮き球のパスをゴール正面で受けたカンテが、
右方向にドリブルしながらシュートを放つと、
ブロックに入った福岡の脚に当たってコースが変わりゴールマウスに吸い込まれてしまった。
試合の流れとは無関係に個人技でゴールをこじ開けることから、
理不尽と称されるカンテのゴールだけど、
この場面は、佐藤と福岡が2人ともブロックに行ってしまったので、
少なくともカンテの近くにいた佐藤はボールにチャレンジすべきだったんじゃないかな。
5月のホームでのマリノス戦でレギュラーの座を勝ち取った時の佐藤は、
ここでやらなければサッカー人生が終わるぐらいの気概で、鬼気迫る感じがあったけど、
脱臼から復帰後の佐藤はなんだか昨季までの佐藤に戻ってしまっている気が・・・。
その後は、山本の惜しいシュートがあったものの勝ち越しとはならず、
アラーノが負傷して倒れている間に前半終了の笛を聞くことに。
数的優位になった方が有利とは限らない
前半と同じメンバーをピッチに送り出した敵将のスコルジャに対し、
前半終了間際に負傷したアラーノに代えて石毛を投入したポヤトス。
さて、この交代が試合にどう影響を与えるのかと思っていたら、
黒川がドリブルで前進しようとしたところを、
カンテがユニフォームを引っ張って引きずり倒したところから小競り合いが勃発。
黒川が小泉を小突けば、激昂して詰め寄った宇佐美にカンテが頭突きを見舞うなど、
試合前のフェアプレー宣言は何だったのかと思うようなしっちゃかめっちゃかの状態に。
結局一連のいざこざは、VARによる7分以上の確認の末、カンテがレッドカードで退場、
喧嘩両成敗で宇佐美と黒川にイエローカードで決着したわけだけど、
そもそも浦和のゴールから離れていて特に危ない場面でもなかったのに、
なぜカンテはあそこまで乱暴な手段で黒川を止めに行ったのだろうか?
かくして思わぬ形で数的優位に立ったガンバだけど、
そもそもガンバは10人の相手と試合をするのが苦手なので一概に有利とは言えない状況。
それはこの試合でも同様で、
くさびのパスを受けに中盤に降りてきたリンセンを福岡が潰し切れずに前を向かれ、
右サイドに流れた岩尾に佐藤が釣り出されあっさりクロスを上げられると、
ゴール正面で中野が髙橋に競り負けてしまい、敢え無く勝ち越し点を献上。
あまりの守備陣の強度の低さを見かねてか、
ポヤトスは中野に代えてクォン・ギョンウォンを投入し、福岡を右SBにスライドさせるも、
そのクォン・ギョンウォンはピッチに入って早々ファウル連発で、
もはや手の施しようが無い状態。
極め付けは、クォン・ギョンウォンの縦パスを、
石毛がワンタッチで山本に落とそうとしたところがズレてしまい安居に拾われると、
安居のスルーパスに抜け出したリンセンにゴールネットを揺らされてしまい、勝負あり。
その後は、12分にも及ぶアディショナルタイムも、
「久しぶりに唐山を見たら坊主じゃなくなってる」ぐらいの印象しか残らないまま試合終了。
数的優位に立ってから2失点するなんて、
退場者を出したのは一体どっちのチームなんだろうか。
実は1人少なかったのはガンバの方でしたというオチがあった方が納得出来る後半だったわ。
月が変わってツキが変わるといきたいところ
結局、9月は1勝も出来なかったガンバが、
10月に入って最初に迎える試合はアウェイでのFC東京戦。
今節、前線のタレントの力技で鳥栖をねじ伏せた東京だけど、
決して内容の良い試合をしているわけではないので、付け入る隙はあると思う。
試合会場の味の素スタジアムは言わずと知れたガンバにとっての大魔境だけど、
宮本監督時代の2020年シーズンには勝利を挙げているので、その時の再現といきたいところだ。
(飛田給での負の歴史にピリオドを打ったのは、個人的に宮本監督の最大の功績だと思っている)
ここ最近夏バテ気味だったネタ・ラヴィが、2週間のインターバルでリフレッシュして、
春先のようなキレキレのプレーを見せてくれることに期待したいね。
ガンバ大阪1ー3浦和レッズ
’17 宇佐美貴史
’29 ホセ・カンテ
’68 髙橋利樹
’85 ブライアン・リンセン