【カタールワールドカップ アジア最終予選 日本vsサウジアラビア】森保一の首の皮を再生し続ける伊東純也という名医

2023年1月1日

伸るか反るかの一戦

先日、ホームで中国を降した我らが日本代表が本日相対するは、
目下、カタールワールドカップアジア最終予選グループBで、
2位の日本に勝ち点差4をつけて首位に立つサウジアラビア。

今回、ホームで対戦するサウジアラビアと、
3月にアウェイで対戦するオーストラリアとの2連戦が、
日本がカタールワールドカップの出場権出来るかどうかの分水嶺になるだろうね。

サウジアラビアには昨年の9月に敵地で対戦した時に苦杯を舐めさせられているだけに、
今回はホームで借りを返したいところだ。

同じようで違う11人

2月の埼玉スタジアムに送り出された日本代表の11人は以下の通り。

勝利したものの、
決して褒められたパフォーマンスでは無かった中国戦と全く同じ11人。

僕の目にはサウジアラビア戦に向けて変化が必要に見えたので、
どうも解せないところがあるのだけど、
DAZNでこの試合を解説していた岡田武史が言うように、
「選手に一番近い森保が選んだメンバーだから尊重する」しかないのだろうか。

ホームの歓声をバックに一気呵成にサウジアラビアのゴールに攻め立てる日本
…と、いきたかったところだったのだけど、
序盤、試合の主導権を握ったのはサウジアラビア。

前線からボールを奪いに行った日本に対し、
サウジアラビア前監督のピッツィの遺産であるポゼッションサッカーでいなしながら、
徐々に権田の守るゴールに向かって前進してきたね。

また、主審に対して執拗に抗議してプレッシャーを掛けたり、
コンタクトプレーで長い時間ピッチに倒れて時間を稼いだりと、
あの手この手で日本の選手たちの集中力を削ごうとしてきた。

これぞ中東のサッカーだなぁと言ったところだったけど、
時間稼ぎをやり出してリズムが崩れたのはむしろサウジアラビアの方で、
前半の半ばを過ぎたあたりから徐々に日本が試合の主導権を引き戻していった。

そして前半32分、酒井が深い位置から一列前の伊東純也に向けてフィードを送ると、
サウジアラビアのCBアルブライヒとのヨーイドンに競り勝ち、
中央へマイナス気味のグラウンダーのクロスを送る。

このクロスを大迫が中央でスルーすると、大迫の後ろで受けた南野が、
GKにボールをぶつけながらもゴールにねじ込んで、日本が先制。

サウジアラビアとしてはカード覚悟で伊東を止めに行ってもいい場面だったけど、
伊東とマッチアップしたアルブライヒは、
前半4分に大迫に肘打ちを見舞って既にイエローカードを1枚貰っていたので、
無理に止めに行くことが出来なかったのが日本にとってラッキーだったね。

また、この試合でも左ウイングのポジションで起用されていた南野だけど、
ゴール前での勝負強さや狭いエリアでのボールの受け方を見ても、
やはりセカンドトップやトップ下で起用したいところ。

ここ最近の日本の布陣は4-3-3で固定しているけど、
もっと南野の特徴が生きる起用法を模索して欲しいね。

エリア14はこの試合でも熱かった

前半を1点リードで折り返した日本は、後半にもゴールを奪う。

後半5分、バイタルエリアでルーズになったボールを伊東が拾うと右足を一閃。

これがゴール左上に突き刺さるゴラッソとなり、
日本に貴重な2点目のゴールをもたらすことになった。

これで伊東はアジア最終予選4試合連続ゴールだけど、得点以外の面でも、
スピードを生かした突破からの右サイドからチャンスメイクは日本の最大の武器だし、
守備もサボらずにやるし、今の日本代表への貢献度は計り知れない。

甲府でプレーしていた時はこんなにすごい選手になるとは思わなかったので、
なんだか隔世の感があるね。

2点ビハインドとなったことで、
サウジアラビアはさらに攻勢に出てくるのかと思っていたけど、
サウジアラビアの攻撃は思ったほど大したことなかった。

まあ、何人か主力が欠場していたというのもあるんだろうけど、
前回対戦時は柴崎のバックパスが相手に渡って失点を喫したとは言え、
それ以外の時間帯では上手く守れていたので、
もしサウジアラビアがこの試合にベストメンバーで臨んでいたとしても、
それほど大した攻撃は出来なかったと思うけどね。

失点の不安が無くなってくると日本も余裕を持って戦える。

先日の中国戦で途中投入されてすぐにアシストを決め、
長友不要論を巻き起こした中山は、この試合でも長友との交代でピッチに入ったけど、
今度は中山のパフォーマンスがあまり良くなくて、
長友が世間の悪評を跳ね返した格好になったね。

また、南野に代えて投入された森保監督の愛弟子の浅野は、
酒井から送られた絶妙なクロスを盛大に枠外へ外してしまいこちらもアピールならず。

守備陣は危なげないパフォーマンスでクリーンシートを達成し、
結果的にアジア最終予選の大一番で勝利を収めたけど、
まだまだ改善の余地はあるなと思わせられる試合だったように思う。

逆王手の可能性を残した王手

サウジアラビアに勝利したことで、
日本はこれでカタールワールドカップの出場権獲得に王手。

次戦のオーストラリアとのアウェイゲームで勝利すれば、
7回目のワールドカップ出場が決まるね。

まあ、オーストラリアは難敵ではあるけど、
昨年、ホームで対戦した時はそこまでの強さは感じなかったので、
日本が本来の力を発揮できればアウェイでも勝利できると思う。

森保監督の采配にやや不安はあるけど、
3月24日に南半球から吉報が届くことを期待しています。

日本20サウジアラビア
’32 南野拓実
’50 伊東純也