【国際親善試合 日本vsエクアドル】決着が着かなかった鍔迫り合い
南米勢に簡単な相手はいない
先日のアメリカ戦で勝利を収め、2ヶ月後のカタールワールドカップに向けて、
チームが順調に仕上がっていることをアピールした我らが日本代表。
そんな日本がアメリカ戦から中3日で相対するは、
厳しい南米予選を勝ち抜いて2大会ぶりにワールドカップ出場を決めたエクアドル。
週末にトッテナムとのノースロンドンダービーを控えた冨安や、
アメリカ戦で背中を打撲した権田など、
アメリカ戦後に代表チームの活動から離脱した選手もいるけど、
残された選手たちでエクアドル相手に勝利し、
本大会前最後の代表チームの活動をきれいな形で締め括りたいところだ。
スプリンクラーとか言うゲームチェンジャー
アメリカ戦と同じ会場であるデュッセルドルフ・アリーナのピッチに立った、
日本代表のスタメン11人は以下の通り。
![](https://pdnannex.com/wp-content/uploads/2022/09/20220927_日本代表-644x644.png)
前日の記者会見で森保監督が示唆した通り、
先日のアメリカ戦からスタメン11人を全員入れ替えて来た。
柴崎と田中碧のダブルボランチは守備の強度の不安があるけど、田中碧は、
このスタジアムをホームとして戦うフォルトゥナ・デュッセルドルフでプレーしているので、
地元の観客の前で良いプレーを見せたいところだ。
アメリカ戦では、後方からのビルドアップを志向するアメリカに対し、
日本の前線からのプレスが機能し、日本が主導権を握る展開になったけど、
この日の対戦相手のエクアドルは、ビルドアップとロングボールを上手く使い分け、
日本にボールの奪いどころを絞らせない。
また、エクアドルの選手個々の球際での体の使い方が上手く、
ボールを持っている選手に日本の選手がコンタクトしてボールを奪おうとしても、
簡単にいなされてしまう場面が何度も目についたね。
ただ、エクアドルの絶対的エースのエネル・バレンシアがベンチスタートだったことや、
エクアドルのシュートがポストに弾かれるというラッキーもあり、
失点はかろうじて回避することが出来た。
(前半終了間際のセットプレーの場面は完全にやられたと思ったけど)
対する日本の前半のチャンスらしいチャンスと言えば、
三笘のクロスに南野がヘディングで合わせた場面と、
エクアドルの選手が自陣のペナルティエリア内でパスミスしたのを、
古橋がシュートした場面ぐらいだっただろうか。
日本のシュートチャンスよりも、
スタジアムのスプリンクラーが誤作動を起こした回数の方が多かった前半だったね。
W杯前最後の45分でアピール出来たのは誰?
前半をスコアレスで終えた日本は、後半の頭から古橋に代えて上田綺世を投入。
確かに前半の古橋はほとんど存在感が無かったけど、
これは古橋のせいと言うより、古橋にパスが全然出てこなかったのが原因なので、
前半だけで交代させるのは酷のように思えた。
ところが、上田が入ったことで、相手DFと競り合ってこぼれ球を南野に繋ぐという、
前半は見られなかった攻撃が後半から見られるようになったので、
結果的にこの交代は妙手だったように思う。
さらに森保監督は後半22分に柴崎、三笘、南野に代えて遠藤、相馬、鎌田を投入し、
攻勢を強めるも得点を奪うまでには至らず。
一方、後半になって徐々に日本に押され始めたエクアドルは、
後半31分に満を辞してエネル・バレンシアを投入。
すると、その4分後に日本のバイタルエリアでくさびのパスを受けようとしたエストラーダを、
谷口が後ろから倒してしまいPKを献上してしまう。
このPKをバレンシアが決めてエクアドルが先制・・・と思っていたら、
なんとシュミットがバレンシアのシュートコースを完璧に読み切り、PKストップ。
キッカーのバレンシアが助走に入る前に、
シュミットが大きく左右に動いてプレッシャーをかけているのを見て、
「こういうことをするGKほどPKを止められないんだよな」と思ってしまったのだけど、
良い意味で期待を裏切ってくれた。
その後もシュミットはバレンシアのヘディングシュートをセーブするなど大当たり。
これまでの代表戦でのシュミットのプレーは微妙なものが多く、
それほど信頼していなかったのだけど、この試合での活躍を受けて、
森保監督の中でもシュミットの株は大きく上がったんじゃないだろうか。
しかしながら、試合の方は最後までスコアが動かず、このままスコアレスで終了。
得点を奪えなかったのは残念だけど、
エクアドルが親善試合と思えない強度で試合に臨んでくれたおかげで、
カタールワールドカップのグループステージ2戦目で対戦するコスタリカとの試合の、
良いシミュレーションが出来たように思う。
泣いても笑ってももうアピールは出来ない
これでカタールワールドカップ前の代表チームの活動は終了。
あとは本大会に連れて行くメンバー発表を残すのみとなったね。
保守的な森保監督のことだからサプライズは無さそうだけど、
日本にとって6回目のワールドカップのメンバーに誰が選ばれるのか今から楽しみでならないね。
日本0−0エクアドル