【国際親善試合 日本vsカナダ】ドバイに行って実験やリハビリをしてきたという試合

熱量が足りない祭典

カタールワールドカップの初戦・ドイツ戦を6日後に控えた我らが日本代表は、
大会前最後の強化試合としてカナダとの一戦に臨んだ。

ずっと前から決まっていたとは言え、
11月にワールドカップと言われてもピンと来ないのが正直なところだし、
そのせいか今のところ例年のワールドカップに比べて盛り上がりに欠けている感は否めない。

予選ラウンドで厳しい組に入っている日本だけど、
そんな世の中の空気を変えるようなニュースを遠くカタールの地から届けて欲しいと思う。

ブンデスリーガの試合で脳震盪を起こした遠藤や、体調不良の三笘をはじめ、
冨安や守田などコンディション不良でこの試合に出られない選手がいるのは気がかりだけど、
出来るだけ良い状態で本大会を迎えられるように有意義な90分にして欲しいね。

選手たちが置かれている立場はそれぞれ

ワールドカップで使用するスタジアムでの強化試合は不可とのことで、
カタールの近隣国であるUAEのドバイに乗り込んだ日本代表の中で、
アール・マクトゥーム・スタジアムのピッチに送り出された11人は以下の通り。

ケガで一時はワールドカップのメンバー入りが危ぶまれていた板倉と浅野が、
それぞれCBと1トップのポジションでスタメン入り。

また、左サイドに久保、右サイドに相馬と、本来のポジションと逆のサイドで起用したあたり、
選手のコンディション調整や、戦術オプションの確認といった、
実験的な要素が垣間見えるメンバーになったね。

序盤、柴崎と田中碧というクリエイティブな中盤2枚を中心に日本がボールを握ると、
ボールを受けに中盤に落ちてきた浅野に釣られ、
不用意に上がったカナダのDFラインの裏のスペースに斜めに走り込んだ相馬に対し、
柴崎がドンピシャのパスを供給。

このパスを相馬がワンタッチで合わせ、前半8分に日本が先制に成功。

スペインの2部で目立った成績を残せていないにも関わらず、
ワールドカップのメンバーに選ばれた柴崎に対し、懐疑的な声があったのも事実だけど、
中盤の底からあれだけの精度のパスを供給できるセンスはさすがの一言だね。

早い時間帯に先制した日本だけど、主導権を握って試合を進める中でも、
カナダのセットプレーの場面ではマークを外してしまう場面があり、
なんだか失点しそうな予感はあったのだけど、悪い予感ほどよく当たるとはよく言ったもので、
前半21分にセットプレーから失点を許してしまった。

まあ、セットプレーの攻め方や守り方を本大会前に見せてしまうと、
テクノロジーが発達した今の時代では簡単に研究されてしまうので、
あえて本大会まで手の内を隠している・・・と思いたいところだ。

同点に追いつかれてからしばらくカナダにペースを握られてしまったけど、
その後は、左サイドの久保が広範囲に動いてボールを受けることで、パス回しにリズムを作り出し、
日本が試合の主導権を握り返したところで前半はタイムアップ。

ベストメンバーから大きくメンバーを入れ替えているわりには、
そこまで試合のクオリティを落としていないのは評価できると思うけど、
前線からの激しいプレスで高い位置でボールを奪う場面が何度かあっただけに、
2点目を奪えそうな状況を作り出せなかったのは痛かったね。

決められるところで決めておかないと・・・というやつ

後半に勝ち越したい日本は、浅野、酒井、久保に代えて上田、山根、堂安を投入。

堂安が右サイドに入ったことで、本職のポジションである左サイドに回った相馬が、
さっそく左サイドの深い位置からクロスを上げた場面や、
南野がゴール正面でシュートチャンスを迎える場面を作り出すも、いずれも得点には結びつかず。

この膠着状態を受けて森保監督は、田中碧と板倉に代えて鎌田と長友を投入してきた。

まあ、長友が左SBに入って伊藤がCBにスライドするんだろうなというのは予想出来たけど、
田中碧と交代になる鎌田はどこのポジションで起用するんだ?と思っていたら、
なんと田中碧がいたボランチのポジションにそのまま入った。

所属のフランクフルトでボランチとしてプレーする機会はあるとは言え、
日本代表の試合で鎌田がボランチとしてプレーするのはおそらく初めてだと思うので、
どれだけやれるのか未知数なところがあったけど、
自分でボールを奪って前線に持ち上がり、左サイドの相馬にパスを展開した場面を見て、
そんな心配は杞憂だったと思い知らされた。

鳥栖でプレーしていた頃やフランクフルト移籍当初の鎌田は、
天才的なプレーをする一方で消えている時間も長いという印象が強かっただけに、
攻守両面に於いて存在感を発揮している今の鎌田を見ると隔世の感を感じるわ。

ただ、中央と左サイドに比べると堂安と山根が並んだ右サイドの機能不全が目立ち、
右サイドでチャンスを潰している感があったのだけど、
南野に代えて吉田を投入し、3バックにしたことで右サイドが復活。

柴崎のスルーパスに対して右WBにポジションを上げた山根が走り込んでシュートを放つという、
後半最大のチャンスを迎えるも、このシュートはポストに阻まれてゴールならず。

とは言え、その後も日本がペースを握っていたので、まだチャンスはあるかなと思っていたら、
先ほどシュートを決められなかった山根がペナルティエリアでファウルを犯し、
PKを献上してしまうというのだから試合の流れというのは残酷だ。

PKキッカーを務めたカヴァリーニのチップキックは権田がわずかに触れるも、
ゴールラインを割ってしまい、カナダに決勝点がもたらされてしまった。

負けたけどこの試合はあまり参考にならない

ワールドカップ前最後の強化試合で勝利を収め、
良い流れでドイツ戦に臨むという目論見は外れてしまったけど、
先述の通り、大幅にメンバーを入れ替えたり、
実験的な選手起用もあったことを考えるとそこまで悪い内容の試合ではなかったと思う。

それにドイツ戦は、伊東、遠藤、守田、冨安といった、
カナダとの試合に出場しなかった選手たちが中心になるだろうから、
カナダ戦の内容や結果はあんまり参考にならない部分もあるしね。

ワールドカップ初戦の対戦相手であるドイツも、
先日のオマーンとの強化試合で苦戦したようで、あまり調子が上がっていないようだけど、
それでも優勝候補に挙げられる強国であることに間違いは無い。

負けてもともとの相手なので、
開き直って悔いのないように全力でぶつかっていってほしいね。

日本12カナダ
‘8 相馬勇紀
’21 ヴィトーリア
’90+5 カヴァリーニ