【キリンチャレンジカップ 日本vsチュニジア】吹田のリベンジは神戸で

気になるのは日本の選手だけではない

先日、ビッグスワンでカナダを降した我らが日本代表が、
舞台を神戸に移して対戦するのはチュニジア。

チュニジアとの対戦は昨年の6月以来だけど、
その時は0-3と大敗を喫しているので、今度は逆のスコアでやり返して欲しいところだ。

また、チュニジアと言えばどうしてもガンバ所属のジェバリの存在が気になるところだけど、
そのジェバリはここのところ当たりが止まっているので、
この試合で復調のきっかけを掴んでチームに戻って来て欲しいという気持ちもあったりする。

キング久保は右へ左へ大忙し

2026年のワールドカップ予選を来月に控えた状況で、
森保監督がノエビアスタジアム神戸のピッチに送り出した日本のスタメンは以下の11人。

向こう10年の日本代表のゴールマウスを守るであろう21歳の鈴木彩艷を、
このタイミングでスタメンに抜擢。

また、先日のカナダ戦で中村が負傷してしまった左サイドは、
所属のセルティックで確固たる地位を築きながら、
森保監督に冷遇され続けていた旗手が入った。

先日の韓国戦で4失点を喫して敗戦した反省からか、
この日のチュニジアは5-4-1で重心を低くして試合に臨んできたので、
日本が終始チュニジア陣内で試合を進める展開に。

しかしながら、トップ下の久保が右サイドに流れて、
伊東純也や菅原とのコンビネーションでチャンスを作り出す一方で、
旗手と中山の左サイドは連携が今一つでなかなかシュートまで持っていくことが出来ない。

これを受けてか、前半の途中から久保は左寄りにポジションを取るようになると、
左サイドのコンビネーションは劇的に改善されたものの、
今度は右サイドからの攻撃が減ってしまうなど、
あっちが立てばこっちが立たないというような状態に。

まあ、日本がそんな状態でも、チュニジアはハーフウェイラインを出るのもやっとだったから、
鈴木彩艷が危ない場面を迎えるようなことは無かったけど、
ジェバリが前線で空気になっている姿を見るのはガンバサポとして少々複雑だった。

前半は優勢に試合を進めながら決め手を欠いたまま時間が進み、
このままスコアレスでハーフタイムかなと思っていたら、
前半43分、中央でボールを受けた久保が激しいチャージを受けながらもドリブルで前進し、
前方にいた旗手にパス。

おそらく旗手は右サイドに開いていた伊東純也に展開しようとしたんだろうけど、
パスコースにいたチュニジアの選手に当たると、
こぼれ球が古橋への絶好のスルーパスのような形になる。

これを昨季のスコティッシュプレミアリーグ得点王が見逃すはずもなく、
冷静にGKの脇を射抜き、日本は1点リードした状態でハーフタイムを迎えることが出来た。

ワールドカップ予選に向けての準備は万端?

前半終了間際に先制ゴールを挙げた古橋は前半でお役御免となり、後半からは上田が登場。

セルティックでの活躍とは対照的に、代表では目立った活躍が出来ずにいた古橋だけど、
この試合では得点を挙げただけでなく、前線からのプレスもかなり精力的に行っていたので、
森保監督に好印象を与えることが出来たんじゃないだろうか。
(まあ、45分限定の出場だから体力を気にせずプレスに行けたのもあっただろうけど)

後半に入っても未だにシュート0本のチュニジアに対し、日本は優勢に試合を進めると、
旗手との交代で左サイドに入った浅野のパスに抜け出した久保が、
左サイドからクロスを供給すると、
ファーサイドでフリーになっていた伊東純也がゴールネットを揺らし、日本に追加点。

ちょうどジェバリが見せ場を作れないままピッチから退いて、
この試合に対する興味が薄れてきていたタイミングでの見事なゴールだったので、
目が覚めるような感覚があったね。

その後の日本は追加点を奪えなかったものの、新しい戦い方を試す森保監督。

先日のカナダ戦で、2列目の選手を削って橋岡を投入し、
毎熊を1列前に上げるという交代を見せていたけど、
この試合でも久保に代えて橋岡を投入し、菅原を1列前に上げる采配を見せた。

また、所属チームで満足な出場機会を得られていない遠藤と冨安はフル出場させるなど、
選手のコンディションを考えての起用も見られたね。

ただ、せっかく日本に来てくれたのに、
何の見せ場も作れていないチュニジアを不憫に思ったのか、
DFラインの裏へ出たボールに対しゴールを空けて飛び出すも、
クリアを空振りして大ピンチを作り出す鈴木彩艷はエンターテイナー。
(なぜ浦和で西川からポジションを奪えなかったのかわかったような気が・・・)

このプレーでチュニジアは少し元気になったようで、
後半アディショナルタイムには左サイドからのクロスから、
ポスト直撃のヘディングシュートを放つも、反撃はここまで。

大量得点を挙げながらも終盤の失点で締まりの悪い試合になってしまったカナダ戦を教訓に、
クリーンシートで試合を終えることが出来たのは収穫だったね。

2026年に向けた戦いが動き出す

9月にはドイツやトルコなど欧州の強豪に勝利するなど、
攻めてくる相手との試合では手応えのある結果を残していた日本だけど、
今年は守備を固めてくる相手との試合は出来ていなかったので、
今回のチュニジア戦は、来月から始まる2026年のワールドカップ予選に向けて、
良いシミュレーションになったんじゃないだろうか。

ジェバリが復調のきっかけを掴んだ感じが無さそうだったのが気がかりだけど、
ケガ無くチームに戻ってくてくれるだけでも収穫なので、
週末の名古屋戦からさっそく仕事してもらいましょう。

日本20チュニジア
’43 古橋亨梧
’69 伊東純也