【明治安田J1リーグ13節 名古屋グランパスvsガンバ大阪】ガンバではなく中谷と試合をしているチームに負けるものですか

頭を大阪ダービーモードから名古屋戦モードに

噛んでも噛んでも味が無くならないガムのように、
大阪ダービーの勝利の余韻を噛み締めた1週間だったけど、
次の試合が控えている以上、いつまでも浮かれている訳にもいかない。

今節、我らがガンバ大阪が臨むのは、
かつての青黒の将・長谷川健太率いる名古屋グランパスとのアウェイゲーム。

開幕から数試合は頭が痛くなるような試合をしていた名古屋だけど、
今はガンバのすぐ上の7位につけるなど、建て直しに成功。

古巣に最大限のリスペクトをしながら恩返しゴールを決めまくるパトリックだけでなく、
永井や森島、ユンカーといった強力なオフェンス陣を擁している名古屋だけど、
昨季あれだけ崩壊していたガンバの守備陣を有言実行で建て直した中谷が、
昨季まで5年半在籍した古巣の前に立ちはだかってくれるはずだ。

何も起こらなかった前半45分

オリジナル10がひしめく中位群から抜け出したいガンバのスタメン11人は以下の通り。

前節の大阪ダービーからウェルトンが岸本に代わっただけで、残りの10人は同じ顔ぶれ。

加入以降ずっと出突っ張りだったウェルトンはベンチにも入っていなかったけど、
ケガではなくただの休養だと思いたいところ。

試合が始まるやいなや、中谷がボールを持つたびにブーイングを浴びせる名古屋のサポーター。

中谷が名古屋に対して不義理して移籍したのならともかく、
5年半の在籍期間でリーグ戦の欠場は3試合だけと、
長きにわたり名古屋のDFラインを支え続けたのに、
そんな功労者に対してあんまりな扱いじゃないだろうか。

ベクトルを自分たちに向けていないチームが痛い目に遭うというのは、
先の大阪ダービーで我々も学んだばかりなので、
この日は名古屋に痛い目に遭ってもらいたいところだったけど、
豊田スタジアムで16時から行われた一戦は、大阪ダービーの熱狂とは程遠く、
先日のアビスパ戦の続きを見ているかのような退屈な試合。

ガンバが圧倒的にボールを支配していたものの、
アタッキングサードに入った時の崩しの精度が不足してなかなかシュートまでは持ち込めず。

対する名古屋も自陣でガンバの攻撃を待ち構えてカウンターを狙うも、
途中でガンバの守備陣に食い止められてゴールに近づけずといった具合で、
お互いにゴール前の局面が少ない凡戦だった。

さらに福島主審が神経質に笛を吹きまくって試合が何度も止まることも、
両チームのサポーターのフラストレーションを増幅させていたように思う。

前半の決定機らしい決定機って、
ガンバは稲垣から宇佐美がボールを奪って角度の無いところからシュートを打った場面だけで、
名古屋は森島のFKから三國が頭で合わせた場面ぐらい。

さすがに後半もこのままというわけではないだろうから、
ハーフタイムでどんな修正が入るのかということにしか興味がわかない前半だったね。

がむしゃらなようで冷静な一撃が試合を動かす

後半頭から稲垣に代えて米本を投入した長谷川健太に対し、
前半と同じメンバーをピッチに送り出したポヤトス。

前半はハーフウェイラインの内側にガンバの選手が入らないとプレスに行かなかった名古屋が、
後半になってハーフウェイラインの外にプレスに行くようになったという変化はあったものの、
大きく展開が動くことはなく、膠着した状況が続く。

ガンバもガンバで、ウェルトンがいない状況で可能性のある突破を見せているのは坂本だけで、
ちょっと苦しいなという印象は拭えなかったのだけど、まさかの展開から試合は動く。

ダワンの縦パスをバイタルエリアで受けた宇佐美が左足を振り抜くと、
宇佐美の背後からシュートブロックに入った永井の足にボールが当たり、
オフサイドポジションにいた坂本へ絶好のスルーパスが供給されるような形に。

坂本のシュートはランゲラックに阻まれるもこぼれ球を岸本が詰め、
後半22分についに均衡が破れた。

試合後のインタビューを聞く限り、
岸本はどういう状況で自分にボールがこぼれてきたのかわかっていない感じだったけど、
ハ・チャンレと和泉がシュートブロックに入り、ランゲラックもセービングを試みる中で、
空いているコースにシュートを決めたのは冷静だったと思うわ。

その後は、1点ビハインドとなって思い出したかのように攻撃に出る名古屋に対し、
ガンバは耐えつつもカウンターを狙うという試合展開に。

倉田に代わって久しぶりのリーグ戦出場となった食野としては、
アピールするようなプレーをしたいところだっただろうけど、
この日は無謀なドリブルで中央に突っ込んでいくようなプレーはなく、
倉田がこなしていたタスクを忠実に引き継いでいるような感じだったね。

高さのある名古屋だけにセットプレーの場面はヒヤヒヤしたけど、
中谷を中心に粘り強く跳ね返し続け、最後は中野と江川を投入して5バックに変更して逃げ切り、
2試合連続のウノゼロ勝利。

この日は出場機会は無かったものの、ネタ・ラヴィもベンチに戻ってきたし、
この調子で勝ち点5差で首位に立つ神戸を追撃していきたいね。

緑の飛田給は怖くない

今季初の3連勝を目指すガンバの次節の試合は、中3日でヴェルディとのアウェイゲーム。

ヴェルディとJ1で対戦するのは、当時ガンバに所属していたイロモノ外国人のミネイロが、
今やYouTuberとなった那須大亮の股間を蹴り上げて悶絶させた、あの2008年の試合以来か。

いかにも城福監督のチームらしく手堅く勝ち点を積み重ねているヴェルディだけど、
今節は鹿島との試合が日曜日に予定されているため、
日程的にはガンバが1日有利という状況で迎えるので、
運動量や球際の部分で上回って勝ち点3を積み上げたいところ。

試合が行われる味の素スタジアムはガンバにとって鬼門中の鬼門だけど、
対戦相手が青赤ではなく緑なので、変に苦手意識は持たずに試合に臨んでほしいと思う。

名古屋グランパス01ガンバ大阪
’67 岸本武流