【明治安田生命J1リーグ21節 アビスパ福岡vsガンバ大阪】勝ちに不思議の勝ちあり
泣きっ面に蜂
わざわざウズベキスタンまで出向いてACLのグループステージを戦ったにも関わらず、
日本勢で唯一のグループステージ敗退に終わったというだけでも痛手なのに、
帰国したら選手2名とスタッフ2名の新型コロナウイルス感染が発覚するという、
踏んだり蹴ったりな我らがガンバ大阪。
PCR検査の結果が陰性だった選手たちで福岡戦は通常通り開催されるとのことで、
3月のようにチーム活動休止に追い込まれなかったのは不幸中の幸いだけど、
ただでさえもケガ人が続出して野戦病院状態なのに、さらに戦力が削られていくなんて、
ガンバにとってメモリアルであるはずのクラブ創設30周年のシーズンは、
難易度設定がハードモードすぎやしないだろうか。
機能不全の9番を使う意図
博多の森で福岡と対峙した青黒の11人は以下の通り。
![](https://pdnannex.com/wp-content/uploads/2021/07/20210717_ガンバ大阪-644x644.jpg)
藤春と福田が戦線離脱中なので左WBが黒川なのは致し方無しなところだけど、
パトリックをベンチに置いてペレイラを頭から起用した松波監督の意図がよくわからなかった。
高額な年俸を払っているので何とかチームにフィットさせたいのだろうけど、
ポストプレーは収まらないわ、プレスバックはサボるわ、小野瀬のクロスはブロックするわ、
挙句の果てにはペレイラよりも10cmも身長が低い奈良相手にも全然ヘディングで勝てないわで、
一体何しに試合に出ているのかという次元のプレーをしていた。
これ以上試合で使い続けても良くなる兆しが見られないので、
もう見切りをつけてもいいんじゃないかと思っているのは僕だけですかね。
ただ、最前線の選手がそんな状態でも、ガンバがボールを保持出来ていたけど、
どちらかと言うと持たされているような感じで、
なかなかシュートまで辿り着くことが出来なかった。
前半のチャンスらしいチャンスといえば、村上にセーブされた宇佐美のFKと、
山本のクロスの跳ね返りがたまたま宇佐美の前に飛んで、
ボレーシュートを放った場面ぐらいだっただろうか。
対する福岡も、ファンマとクルークスのコンビネーションは脅威だったけど、
そもそも手数が少なく、少ないピンチも東口の好守で防ぐことが出来ていたので、
スコアレスで終わったのが納得な前半45分だったね。
またしてもガンバを救った聖・パトリック
後半に入ると、福岡がガンバに攻め入る時間帯が徐々に長くなっていったのだけど、
相変わらず松波監督は戦術ボードのマグネットの配置をいじっているだけで、特段動きは無し。
そうこうしているうちにファンマとのパス交換で山岸にゴールネットを揺らされてしまった。
ファンマをフリーにした守備はまずかったけど、太ももでトラップしてパスの勢いを殺し、
ハーフバウンドのボールを東口の手が届かないコースに流し込むシュートは見事だったので、
「敵ながら上手いシュートだったな」と思っていたら、
VARオンリーレビューで山岸のハンドという判定になり、ゴールは取り消しに。
ガンバとしては助かった場面だったけど、
DAZNの中継で流れたVTRを何度見ても手でボールに触れているか判断できなかったので、
この試合のVARは一体どの映像を見てハンドだと断定したのかが気になったね。
このVARレビュー中に宇佐美に代えてウェリントン・シルバを投入していた松波監督は、
さらにペレイラ、矢島、倉田に代えてパトリック、一美、奥野を投入して勝負に出る。
この時後半33分だったので、いくらパトリックでも
アディショナルタイムも含めて約15分で結果を出すのは難しいんじゃないかと思っていたら、
なんと後半40分に値千金の決勝ゴールを決めてしまった。
奥野のクロスが重廣に当たってコースが変わっているので、
ヘディングで合わせるのは難しいシュートだったと思うけど、
あのイレギュラーなボールに対して咄嗟に反応できるあたりが、
今のパトリックの好調さを表しているように思うね。
消化試合数が少ないという伸びしろ
先述のVARのレビューに加え、
アディショナルタイムになってからも試合が止まっていた時間帯があったため、
後半のアディショナルタイムは9分を超えることになったけど、
のらりくらりと時間を使って試合をクロージングすることに成功。
(東口がセーブしたグローリのシュートには寿命が縮まったけど)
なんで勝てたのかよくわからない試合だったけど、
幸先よく15連戦の初戦を取れたので、次戦の神戸戦で降格圏脱出といきたいね。
アビスパ福岡0−1ガンバ大阪
’85 パトリック