【東京オリンピック グループA1節 日本vs南アフリカ】刮目して久保建英の輝きを見よ
ついに始まった東京オリンピック
コロナ禍による1年のブランクを経て、
晴れて自国開催のオリンピックの晴れ舞台に立った若き日本代表選手たち。
日本のグループリーグ初戦の対戦相手である南アフリカの選手が、
新型コロナウイルスに感染していることが判明した上、
大半の選手が濃厚接触者に認定されたことで、
この試合の開催可否が気になるところだったけど、
通常通り開催の運びになったね。
まあ、緊急事態宣言発出に伴って無観客開催になったり、
よくもまあこんなに毎日問題が起きるよなといった具合で、
大会関係者が連日辞任や解任に追い込まれているところを見ると、
素直に大会を楽しめる状況では無いけど、選手に罪は無いので、
この特別な舞台でベストなパフォーマンスを見せてくれることを期待したいね。
最近、攻めているのに点が取れない試合をよく見ている気がする
グループリーグ初戦の舞台である
味の素スタジアムのピッチに立った日本代表のイレブンは以下の通り。
コンディションがまだ整わないのか、
冨安がベンチにも入ってなかったのは気になるけど、
現状、考えられるベストメンバーを送り込んできたなというのが率直な感想。
対する南アフリカは、ずいぶんと日本をリスペクトしてくれたようで、
自陣で5-4-1のブロックを敷いてがっちりと守ってきた。
おそらく、この試合の1トップが前田じゃなくて林だったのは、
この試合の南アフリカの戦い方だと、
前田が生きる敵陣のスペースが無いと判断したからだったのかな。
そんな南アフリカに対し、日本がボールを持つ時間帯が長くなったけど、
最後のところで手数が多くなったり、パスがずれたりして、
あれだけ攻めていた割には決定機は少なかったかなという印象。
初戦なので丁寧にプレーしたい気持ちはわかるのだけど、
もっと強引にシュートに行ってもよかったんじゃないだろうか。
それでも三好や久保に何度か決定機は訪れたものの、
いずれも決め切ることが出来ず、スコアレスで前半を折り返すことに。
また、この試合中継のカメラワークが、必要以上にボールに寄るものだから、
選手の配置がわかりづらいうえに、画面がよく上下左右に動くので、
試合を見ていて酔いそうになった。
大会の雰囲気にアジャストしなければいけないのは、
選手だけじゃなくて視聴者もまた然りなのね。
日本を救ったのは至宝の輝き
後半に入っても前半と変わらない試合展開が続くと、
徐々に日本の選手たちに焦りが見え始め、
主審の神経質な笛も相まって、ファウルで試合が止まる場面が目に付き始めた。
三好に代えて相馬を投入するという選手交代もさして効果は現れず、
これはあまり良くない流れだなと思いながら試合を眺めていたのだけど、
そんな状況を変えたのがこの世代の顔でもある久保建英。
左サイドに開いてパスを受けた田中碧がサイドチェンジのパスを送ると、
右サイドで待ち構えていたのは久保。
南アフリカの選手もマークについていたけど、カットインで強引に剥がし、
ファーポストにグラウンダーで強烈なシュートを叩き込んで見せた。
そんな久保のワールドクラスの一撃で先制した日本だったけど、
この久保の得点の前から準備していた中山に代えて旗手という交代を、
取り下げなかったのは森保監督の悪手だったと思う。
おそらく、旗手を入れて攻撃に厚みを加えたかったんだろうけど、
同点を狙うべく前に出てきた南アフリカに旗手が入った左サイドを狙われてしまい、
却って何度か危ない場面を作られてしまったからね。
結局、後半40分に堂安に代えて町田を投入して左SBに入れ、
旗手を一列前に上げることで傷をふさいだけど、
あまりスマートな対応じゃなかったかなと思う。
また、リードはわずかに1点なのに、
後半のアディショナルタイムに入ってもコーナーキープは行わず、
普通に南アフリカのゴールに向かって攻めていたのも疑問だったね。
まあ、結果的に逃げ切れたから良かったけど、メキシコやフランス相手だと、
こんなに隙を見せていたら間違いなく突かれてしまうので、
森保監督にはもうちょっと勝利にこだわったベンチワークを期待したいね。
状況としては南アフリカワールドカップのオランダ戦の前に似ている
グループリーグの2戦目がメキシコ、3戦目がフランスということを考えると、
絶対に勝っておきたかった南アフリカに勝利することが出来たのは、
日本代表の今後の戦いに向けて非常に大きい。
次戦の相手はフランスを4-1で下したメキシコなので、
間違いなく難しい試合を強いられると思うけど、
最終戦のフランス戦に良い形で臨めるように勝ち点1以上は獲得したいね。
日本1-0南アフリカ
’71 久保建英