【明治安田生命J1リーグ16節 アビスパ福岡vsガンバ大阪】ありがとう新潟クリニック

次の勝利は自分たちのスタイルで

前節、アウェイで新潟を破り、公式戦の連敗を7で止めた我らがガンバ大阪。

新潟戦の勝利をきっかけに不調から脱した鹿島や横浜FCに続いて、
ガンバも上昇気流に乗れるかどうかは、今節の福岡戦に懸かっている。

ボールを持って主体的にゲームを進めようとする新潟とは対照的に、
福岡はボールポゼッションには固執せず、堅い守備から速い攻撃を志向するチームなので、
新潟戦と打って変わってガンバがボールを持つ時間が長くなるだろう。

それは、新監督にポヤトスを迎え、
キャンプから取り組んでいたポゼッションサッカーの真価が問われるということでもあるので、
今度は、自分たちが目指すスタイルで勝ち点3を掴み取って欲しい。

あのガンバが逆転だと・・・!?

試合終盤のパトリックの劇的ゴールで勝利を収めた昨季の試合の記憶も新しい、
博多の森に送り込まれた青黒の11人は以下の通り。

前節の新潟戦の前半で、ピッチの大部分が赤色になるという、
驚異的なヒートマップを記録した石毛はベンチスタートで、この試合はダワンがスタメン。

また、福岡の右サイドハーフの紺野対策からか、
開幕からアンタッチャブルな存在だった黒川がスタメンから外れ、
右から福岡将太、三浦、佐藤瑶大、半田というDFラインの並びとなった。
(まあ、ガンバは法政大学時代の紺野には痛い目に遭わされてますからね・・・)

試合は、戦前の予想通りガンバがボールを握る展開となり、
奈良の見事なスライディングに防がれたものの、
山本悠樹のスルーパスからジェバリが永石との1対1のチャンスを迎えるなど、
ガンバが優勢に試合を進める。

ところが、西日がまぶしい時間帯に福岡に連続してセットプレーのチャンスを与えてしまうと、
倉田のマークを外した山岸にヘディングで決められ、前半17分に先制を許してしまう。

福岡将太と佐藤瑶大が試合に出るようになってから流れの中で失点していないとは言うけど、
毎試合のようにセットプレーから失点してしまうのはそれもそれで問題だと思うんだが・・・。

ただ、シーズン序盤のガンバであれば、
優位に試合を進めていても先制を許してしまうと下を向いてしまうところがあったけど、
前節の新潟戦で3得点したことで自信が生まれたのか、
1点ビハインドを背負ってもバタバタせずに試合を進めることが出来たのが大きかった。

東口のゴールキックをジェバリが収めた流れから流れるようなパスワークが始まると、
ジェバリが右サイドの角度の無いところから放ったシュートのこぼれ球を、
アラーノが押し込み、前半24分にスコアを振り出しに戻す。

さらに、その8分後には山本悠樹のFKをファーでダワンが折り返すと、
三浦が左足でゴールに流し込み、前半のうちに試合をひっくり返してみせた。

つい先日までは、ガンバが目指すゴールマウスだけ遥か彼方にあるんじゃないかと思うほど、
ゴール欠乏症に苦しんでいたのに、新潟戦で3得点を奪った途端、
こんなに良い攻撃が出来るようになるなんて、やはりこのチームの問題は戦術云々じゃなくて、
メンタルに依る部分が大きいんじゃないかと思ってしまったね。

つい1トップ起用された背番号7

後半に追加点を奪いたいガンバは、序盤から福岡将太がミドルシュートを放ち、
さらに倉田のシュートのこぼれ球にジェバリが詰める場面を作り出すなど、
前半の良い流れを受け継いで、後半も良い試合の入り方が出来たと思う。

ところが、攻撃の起点であるジェバリへのマークが厳しくなると、
徐々にガンバはチャンスを作れなくなり、徐々に福岡に試合の主導権が傾いていく。

また、古巣対戦の井手口が佐藤凌我に代わってピッチ入ったあたりから、
ガンバは運動量で後手を踏むようになったので、
ポヤトスはアラーノと倉田に代えて石毛と福田を投入し運動量を強化。

さらに福岡の長谷部監督がウェリントンを投入して前線に高さを加えると、
すかさずポヤトスは山本悠樹に代わって黒川を投入し、
福岡将太、三浦、佐藤瑶大の3バックに布陣変更して対応するなど、
これまで交代が遅いイメージのあったポヤトスにしては素早く処置を行っていく。

そして、その処置の総仕上げとして切った交代カードが、
後半39分のジェバリに代えて宇佐美という交代だったと思う。

今季これまで、守備で穴になっていることに目をつむって、
頑なに宇佐美をインサイドハーフで起用し続けていたポヤトスだけど、
ここに来て、ようやく1トップのポジションで宇佐美を起用してきた。

おそらくこの時宇佐美に求められていたタスクはジェバリと似たようなもので、
前線でボールをキープして全体を押し上げる時間を作り、
チャンスがあれば3点目を狙いに行くというものだったと思うけど、
ピッチに入っていきなりグローリのヒザが太ももに入った影響からか、
なかなかボールが収まらず、求められていた役割はこなせなかった。

まあ、結局試合に勝って最下位を脱出することは出来たけど、
インサイドハーフでも1トップでも結果が残せないようだと、
いよいよ宇佐美を起用出来るポジションが無くなってくるので、
そろそろ、今季、背番号7とキャプテンという2つの重責を背負った男の覚悟を見せて欲しいね。

次はホームで勝利の凱歌を

リーグ戦で今季初の連勝を飾ったガンバだけど、
まだまだ安心できる順位まで浮上したわけではない。

ただ、試合後のゴール裏のサポーターと選手たちの様子を見る限り、
今、チームの雰囲気はすごく良いように感じるので、
ここから順調に勝ち点を積み重ねていけそうな気はするね。

そんなガンバの次節の対戦相手はFC東京。

アウェイでは相性最悪な相手だけど、ホームでは比較的好相性なので、
3得点を挙げて勝利した4月のルヴァンカップの試合の再現に期待したいね。

アビスパ福岡12ガンバ大阪
’17 山岸祐也
’24 ファン・アラーノ
’32 三浦弦太