【北米ワールドカップ アジア二次予選 ミャンマーvs日本】一定の成果を残した新戦術のテストと新戦力の発掘

最終予選に向けて新しい風は吹くか

あちらの身勝手な都合で中止となった3月の北朝鮮戦が不戦勝扱いとなったことで、
平壌に足を踏み入れることなく最終予選進出を決めた我らが日本代表。

この日のミャンマー戦と来週のシリア戦は消化試合ということで、
小川航基や鈴木唯人といった新たな顔ぶれが名前を連ねているけど、
個人的には、遠藤や久保といったヨーロッパでフルシーズン戦ったばかりの選手たちは、
今回の代表には招集しないで休養を与えても良かったんじゃないかと思ったり。

まあ、代表チームが集まって練習出来る時間は少ないから、
9月から始まるアジア最終予選に向けて、
集まれる時に集まっておきたいという意図もあるのかもね。

またしても揃い踏みの元ガンバコンビ

今回の対戦では闖入者が出ずに済んだアウェイのミャンマー戦に臨んだ、
日本代表のスタメン11人は以下の通り。

人選ではあまり冒険しなかった森保監督だけど、
戦術面ではこれまで試したことのない布陣を採用してきた。

TV中継の中では3-4-2-1と紹介されていたけど、
アンカーの守田の前に右から菅原、堂安、旗手、鎌田、中村敬斗が並んでいたので、
3-1-5-1のような布陣のように見えた。

消化試合ということもあってか、
この日の日本はそれほどインテンシティが高くなく、
新しい戦術で探り探り試合しているような感じだったけど、
それでも地力に差があるので試合の主導権を握ったのは日本。

旗手や鎌田がミドルシュートを狙う場面が続くと、
右サイドに流れた鎌田の対角線のフィードを受けた中村敬斗が、
左サイドからカットインする得意な形でゴールネットを揺らし日本が先制。

このゴールで日本代表9試合出場で7ゴールとした中村敬斗だけど、
いつもより1列後ろの左WBの出場となってもきっちりと結果を残せるのは、
ガンバ時代に左WBで起用された経験が生きたからだ・・・と思いたい。

その後も日本が優勢に試合を進めると、
鎌田のシュートがゴールポストに当たって跳ね返ったところに、
今度は結婚発表後初の公式戦となった堂安が詰めて日本のリードは2点に。

一方、得点を積み重ねていく日本の攻撃陣の中で、
シュートを打てずにピッチの上を浮遊する小川航基。

せっかく巡ってきたチャンスなのに何を遠慮しているんだと思ったけど、
まさかその評価は後半に覆ることになるとは思わなかったね。

右サイドの活性化とともに目を覚ました19番

後半頭から堂安と旗手に代えて川村と鈴木唯人を投入した森保監督。

本職ボランチの川村が入ったことで、
前半と比べて守田と川村のダブルボランチのように見える時間が増えたけど、
基本的な戦い方は前半と変わっていないように見えた。

ただ、前半から解説の槙野が再三指摘していたように、
橋岡のポジショニングが良くなくて菅原の攻撃力が生きず、
攻撃が左サイドに偏りがちだったのが気になっていたのだけど、
後半17分に菅原に代えて自分でドリブルで運べる相馬を投入したことで、
右サイドからも良いクロスが上がってくるようになる。

その恩恵を受けたのが前半は試合から消えていた小川で、
相馬が右サイドからカットインしてあげたクロスをヘディングで合わせ、日本のリードは3点に。

さらにその8分後には、相馬のクロスをミャンマーの選手たちが処理出来ず、
ペナルティエリア内でルーズになったボールを小川が蹴り込み、この日2点目。

完全にノった小川は、明らかにハットトリックを狙っているようなプレーに変わるも、
この日のゴールは2つで打ち止め。

その代わりに後半アディショナルタイムには、板倉のクサビのパスを体を張って落とし、
中村敬斗のこの日2点目のゴールをアシストするなど、
終わってみれば2ゴール1アシストのMOM級の活躍。

まあ、今回は相手がミャンマーなので、
もっと強いチームを相手にこれぐらい出来るかは試してみないとわからないけど、
とりあえず結果は残したので、最終予選には召集されるでしょう。

年代別代表の時代は東京オリンピック世代のエースだった選手なので、
ここから日本代表のエースを射止めるぐらいの活躍を見せて欲しいね。

消化試合だけど意味のない試合はない

次戦はエディオンピースウイング広島で、アジア2次予選の最終戦となるシリア戦。

今年オープンした広島の新スタジアムでA代表の試合が開催されるのは初とのことだし、
ビッグアーチでも日本代表戦なんて久しく開催していなかったから、
来週の火曜日はスタジアムで初めて日本代表の試合を見るって人も多いんじゃないだろうか。

ミャンマー戦に続き消化試合という位置付けではあるけど、
初めて日本代表の試合を見る人たちに気持ち良くスタジアムを後にしてもらえるように、
これぞ日本のトップオブトップというプレーを見せて、試合に勝利して欲しいね。

ミャンマー05日本
’17 中村敬斗
’34 堂安律
’75 小川航基
’83 小川航基
’90+3 中村敬斗